Physical Properties of Bi and Bi Alloy Plating Films

Yusuke KIMURA
2018 Journal of The Surface Finishing Society of Japan  
.はじめに 電子機器類の内部では,半導体集積回路 (LSI) を心臓部に 据えて多くのデバイス・部品が高度にシステム化され,小さ なスペースに組み込まれている。一般的に,これらのデバイ ス・部品の接続は,電子回路基板上への搭載・はんだ接合に よってなされる。したがって,エレクトロニクス実装におけ る最も重要な要素技術は,電子回路基板 (プリント配線板) の 製造とはんだ接合といっても過言ではない。電子部品のはん だ接合材料には,EU-RoHS,EU-ELV 指令が施行されて以降, Sn-Ag-Cu を主とする Pb フリーはんだが使用されている。一 方で,半導体の実装に使用される高温 Pb はんだ (Pb 含有率 85% を超える Sn-Pb はんだ) に関しては RoHS 指令の適用除 外であり,現在でも使用が認められているのが現状である。 しかし,いずれは高温 Pb はんだに対する適用除外の解除は 避けられない状況にあるため,高温 Pb はんだの代替材料の 開発が急務である。 本稿では,はんだ接合材料に関する現状について説明する とともに,近年高温 Pb
more » ... されて いる Bi 合 金 (Bi-Ag,Bi-Sb) めっき皮膜の物性について,純 Bi めっき皮膜と比較し解説する。 2 .はんだ接合材料の現状 はんだ付けの歴史は古く,紀元前 3000 年頃の青銅器時代 から現在までの 5000 年もの長い間,材料を接合する技術と して使用され続けている。電子部品のはんだ接合には古くは Sn めっきが使用されていたが,Sn めっきから発生するウィ スカによる回路の短絡が問題視されて以降,ウィスカが生じ ない Sn-Pb はんだが使用されるようになった。Sn-Pb はんだ は接合信頼性に優れ,低コストである他,Sn と Pb の配合率 を変えることで容易に融点を制御できることから,汎用性の 高いはんだ接合材料として世界中の電子機器製造に普及して きた。しかし,2003 年 2 月に公布,2006 年 7 月に施行され 錯化剤 0.10 mol/L 有機酸 1.00 mol/L 添加剤 適宜 mL/L 電流密度 3 A/dm 浴温 30 ℃ 表 3 電気 Bi-Sb めっき浴の基本組成及びめっき条件 図 4 電気 Bi-Ag めっき皮膜の 90 °折り曲げ試験後の SEM 画像 図 5 電気 Bi-Sb めっき皮膜の融点 図 6 電気 Bi-Sb めっき皮膜の 90 °折り曲げ試験後の SEM 画像 図 7 電気 Bi,Bi-Ag,Bi-Sb めっき皮膜のビッカース硬さ - 19 -
doi:10.4139/sfj.69.108 fatcat:bjbmszkx6vdmrcva3jc4m3e5qu