Novel therapeutic targets for hypertension
高血圧治療の新たなターゲット

Takuya Kish
2017 Journal of the Japanese Coronary Association  
─ 162 ─ I.はじめに 高血圧は単なる血管過剰収縮による血圧上昇ではなく,血 圧制御システムが不全になっている状態であり,その機序は 個々人で同じではない.したがって,血圧を制御するシステ ムを理解することは重要である.塩分摂取量・尿中ナトリウ ム排泄の平衡と圧利尿関係で定まる有効血液量と心収縮力に より心拍出量が決定され,交感神経やレニン・アンジオテン シン系により制御される血管抵抗と心拍出量の積が血圧であ る 1) .さらに,血圧の恒常性を維持するために種々の血圧調 節反射系が存在する.これら一連の血圧を規定する機序のい ずれかが不全になることで高血圧になる. II.冠疾患と高血圧 降圧治療によって高血圧患者の冠疾患リスクも冠疾患合併 高血圧患者の心血管イベントリスクも低下する.しかし,降 圧目標についてのエビデンスは少ない.心血管イベントリス クの高い患者ではむしろ厳格降圧が有害である可能性を示す J 型現象のエビデンスが提唱されている 2) 一方で,反論する 九州大学循環器病未来医療研究センター (〒 812-8582 福岡県福岡市東区馬出 3-1-1)
doi:10.7793/jcoron.23.023 fatcat:t5jvbsrcafbl5clnvp57jtploa