Recovery of Molybdenum from Spent Lubricant
廃潤滑剤からのモリブデン回収

Tran Van Long, Takahiro Miki, Yasushi Sasaki, Mitsutaka Hino
2012 Tetsu to hagane  
緒言 Mo の需要は鉄鋼産業での用途が総需要量の約 80% であ り,残りの 20% は化学分野や触媒等に使用されている。鉄 鋼分野では Mo の大半が約 1% 以下の Mo 含有合金として 使用されるいるが,これら低 Mo 合金スクラップから Mo を回収することは現時点では非常に困難である。一方, 化学触媒や潤滑剤として使用されている担体には Mo が 10-20mass% 程度と比較的多く含有されている。これらの 使用済み廃棄物のリサイクルの実態は正確には把握できて いないが,廃棄物からの Mo 回収は殆どされていないのが 現状と思われる。近年,廃棄物に対する環境規制が厳しく なり,また,Mo 資源が枯渇状態になりつつある中,これら の廃棄物から Mo を回収することは Mo 資源の安定供給の 観点から非常に重要である。化学分野では,Mo の大半は 触媒や潤滑剤に使われているため,本研究では使用済み潤 滑剤からの Mo 回収に注目した。 廃潤滑剤や石油精製触媒中の Mo は MoS 2 の形で存在し ている。従来の Mo 酸化焙焼工程では Mo を 54mass% 以上
more » ... Mo 精鉱(MoS 2 含有率が 90% 以上の精鉱)が使用 されている。それより低濃度の MoS 2 含有の精鉱では種々 の理由により,酸化焙焼を適用することは困難である 1) 。 そのため,使用済み脱硫用触媒や廃潤滑剤から Mo を回収 する場合においても,酸化焙焼後,それを還元する方法は 適用が困難であり,異なる方法が必要となる。 これまでに使用済み化学製品からの Mo 回収法としては 以下のような様々な研究が報告されている 2-6) 。 1. 硝酸処理 2. アルカリリ-チング 3. 石灰あるいは苛性ソ-ダ焙焼 4. 塩化処理 5. 石灰石添加-炭材還元 しかし,1 から 4 までの回収法は環境に悪影響を与えるな どの欠点がある。そのため,近年では,石灰石添加-炭材 還元回収法が注目され,以下に示すような結果が報告され ている。 ( 1 ) Habashi and Dugdale 7) は MoS 2 にCaOを添加し, 1100K で水素還元を行った。その結果, 40%もの金属 Moが以下の 反応により回収できたと報告した。 MoS 2 (s) + 2CaO(s) = MoO 2 (s) + 2CaS(s) ( 1 ) MoO 2 (s) + H 2 (g) = Mo(s) + H 2 O(g) ( 2 ) ( 2 ) Tripathy and Rakhasia 8) は次の反応により Mo を回収 できると提案した。 MoS 2 (s)+2CaO(s)+2C(s) = Mo(s)+2CaS(s)+2CO(g) ( 3 ) Synopsis : The recovery of Mo from spent lubricant by applying high temperature reduction process was investigated. Suitable amounts of lime and ferrous oxide were added to the spent lubricant and the mixtures were reduced by carbon at 1773K. The reaction mechanisms of CaCO 3 -MoS 2 -C, CaCO 3 -MoS 2 -Fe 2 O 3 -C and spent lubricant-CaCO 3 -Fe 3 O 4 -C mixtures were investigated. Mo in spent lubricant was found to be fully recovered as Fe rich alloy. The recovered Fe rich alloy contained about 40mass% Mo and 4.3 mass% C. Thus, Mo recovery from the spent lubricant by carbon in the high temperature process is promising.
doi:10.2355/tetsutohagane.98.39 fatcat:nmrjvqg4jfdofnokesvdjuk37a