One-dimensional Silicon Chain Covalently Bonded to Solid Surface
シリコン一次元鎖の固体表面への接続

Kazuaki FURUKAWA
2002 Hyomen Kagaku  
This article describes our recent research results on chemical methodology for bonding one-dimensional silicon backbone polymer, or polysilane, onto a solid surface. The method, which we call end-graft technique, is based on the proper combination of polysilane chemistry and surface chemistry. The synthesis and characterization of end-grafted polysilanes are briefly introduced. Our special focus is on the solid surface-selective technique for grafting polysilanes on SiO2, Si (111) and Au
more » ... s. イヤとして用いる場合,前提条件として,高分子単一鎖 1.は じ め に を取り出す技術が必要である。この点については,最近 近年,メモリ・トランジスタなどの機能素子の最小単 では,分子設計や試料作製法の工夫と,走査型プローブ 位として単一有機分子を利用する,いわゆる "分子素子" 顕微鏡の汎用化とにより,高分子単一鎖の直接観察が日 の基礎研究が世界的に加速している。分子素子の構築を 常的に行われるようになっている。 考えた場合,それ自身で機能素子となる分子の設計と合 われわれは,上記の必要条件を満たす可能性がある物 成にくわえ,分子スケール構造物をマクロスケール入出 質として,シリコン一次元主鎖骨格を有する高分子,ポ 力系へと接続する導線,すなわち分子ワイヤが必要とな リシランを対象に研究を進めている。ポリシランは,σ る。後者の分子ワイヤの候補として注目される物質に, 電子が主鎖骨格に非局在化する σ 共役高分子であり, 一次元的に電子が非局在化した導電性高分子がある 1) 。 半導体物性を有する 3) 。実際,ホール移動 4) や電界発光 5) 導電性高分子の特徴には,有機分子や金属電極との接続 が,ポリシラン薄膜を用いて観測されている。また,各 に化学反応を利用できること,分子設計の自由度が高く シリコン原子に結合する 2 つの有機基(側鎖)の選択に 材料としての多様性に富むこと,それ自身が発光素子な より,ポリシラン鎖の剛直性を制御することもできる 6) 。 どの機能性材料となりうること,などがある。 分子ワイヤとして利用するには,単一鎖が伸張した構造 高分子単一鎖を分子ワイヤとして用いるためには,ど をとることが必要である。 のような設計指針で材料開発をすればよいのだろうか。 さて本稿では,ポリシランを固体表面に接続する方法 分子ワイヤの必要条件として,しばしば (1) 導電性, (2) について述べる。Fig. 1 に示す「末端が(固体表面に) 剛直性, (3)接続性の 3 つがあげられる 2) 。これらの必 接ぎ木されたポリシラン」を,われわれはエンドグラフ 要条件は,同時に克服することは困難であるが,分子ワ トポリシランと呼んでいる。エンドグラフトポリシラン イヤ実現の上で重要な課題である。また高分子を分子ワ の合成には,ポリシランの化学反応と固体表面の化学反 応の両者を巧みに制御し,融合することが必要である。
doi:10.1380/jsssj.23.628 fatcat:6zg6abputjbmrnhier6vna4fxa