Transient Network Structure of ABA Triblock Copolymer Solution and Its Deformation and Reconstruction Behavior
ABAトリブロック共重合体溶液の組み替え網目構造とその変形・回復挙動

Katsuhiro INOMATA, Ai BANNO, Eijiro SATO, Hideki SUGIMOTO, Eiji NAKANISHI
2007 Kobunshi ronbunshu (Tokyo)  
 1 名古屋工業大学大学院工学研究科(466 8555 名古屋市 昭和区御器所町) Figure 1. Schematic representation of the transient network of ABA triblock copolymer in selective solvent. (a) Physical gelation by the association of A chains. (b) Reversible association and dissociation of A chain at the associated A domain. (受付 2006 年 12 月 26 日・審査終了 2007 年 3 月 22 日) 要 旨 ABA 型のトリブロック共重合体,ポリメチルメタクリレート-block-ポリ(tert-ブチルアクリ レート)-block-ポリメチルメタクリレート(PMMA-Pt BuA-PMMA)が,中央鎖の選択溶媒中で形成する組 み替え網目構造について,小角 X 線散乱(SAXS)と線形・非線形粘弾性測定により検討した.ゲル化濃度
more » ... 粘弾性測定により検討した.ゲル化濃度 近傍の溶液の SAXS プロファイルでは,たとえマクロスコピックにゲル化している系においても,濃度 が 5.9 wt以下の場合には会合コア間の相関を示唆する散乱ピークが観測されず,網目構造に寄与してい る PMMA 会合コアの割合が少ないことが推測された.ゲル化した 8.0 wtの試料にせん断流動 静止の サイクルを繰返し行ったところ,その前後での線形動的粘弾性曲線はほぼ一致した.一方 4.4 wtの試料 では,流動後は流動前に比べて平坦域の貯蔵剛性率が半分程度に減少したことから,架橋点から引抜かれ た鎖が再び架橋鎖として会合する確率が低く,元の構造に回復できないことが示唆された.これらの結果 から,組み替え網目構造にせん断流動を与えた場合の変形および回復挙動は,架橋点における会合力の強 さとともに,網目構造の緻密さも影響を及ぼすことがわかった. 1 緒 言 ABA 型トリブロック共重合体は,B 成分鎖にとって は良溶媒であるが A 成分鎖が会合するような選択溶媒 中では,A 鎖会合ドメインをコアとするような会合体 ミセルを形成する.一本のトリブロック共重合体の両端 の A 鎖が同一の会合コアを形成する場合,B 鎖はルー プ状の構造をとるが,両端 A 鎖が異なる会合点に含ま れると,B 鎖は異なる会合点を結ぶブリッジ状のコンホ メーションをとる.高分子濃度が増加してブリッジ鎖の 割合が増加すると,多数の会合点(架橋点)がお互いにブ リッジ鎖(架橋鎖)で架橋された,Figure 1(a)に示すよ うな網目構造が形成される.この場合,架橋点を形成し ているのは A 鎖の物理的な凝集力によるものであり, 化学的な結合によるものではないため,たとえば温度を 変えることにより,架橋点における束縛力を変化させる ことが可能である.また凝集力が比較的弱い場合は, Figure 1(b)に示すように会合した A 鎖が架橋点から脱 離したり,再び会合したりすることが可能であることか ら,会合点は有限の寿命をもつことになる.このような 網目構造は組み替え網目と捉えることができ,測定の温 度や時間スケールに応じて緩和挙動が変化することが知 られており,理論的 1)~8) ,実験的 9)~25) な研究が広く行 われている. 筆者らは前報 23) において,ポリメチルメタクリレート -block-ポリ(tert-ブチルアクリレート)-block-ポリメチル メタクリレート(PMMA-PtBuA-PMMA)/1-ブタノール 溶液が示す会合挙動と粘弾性特性について報告した.1-ブタノールは,PtBuA 鎖に対しては良溶媒であるのに 対して,PMMA 鎖には貧溶媒であり,そのことを反映 して,希薄溶液中での臨界ミセル温度(T micelle )は 45~50
doi:10.1295/koron.64.309 fatcat:ip465c7q5jc6jb5f6oiklf5l4u