CHARACTERISTIC OF HIGHER MODE RESPONSE OF HIGH-RISE BUILDING UNDER FLUCTUATING WIND FORCE

Hiroyuki HIRAI, Keisuke YOSHIE, Daiki SATO, Yuya SUZUKI, Haruyuki KITAMURA
2012 AIJ Journal of Technology and Design  
As buildings have become higher, it is likely to find the wind loads that is equal to or even greater than the design seismic loads. Therefore, it is important to estimate responses of high-rise buildings under fluctuating wind force. This paper presents contribution rate of higher mode wind response of multi-mass system for high-rise buildings by using a modal analysis in elasto range. Then, it shows that the wind responses are usually separated into the low and high frequency components, and
more » ... he wind responses can be expressed as sum of them. The agreement between the predicted value based on coupling of two components and results of time-history analysis was finally confirmed. 平井宏幸 *1 吉江慶祐 *2 佐藤大樹 *3 鈴木悠也 *4 北村春幸 *5 キーワード: 超高層建築物,風応答,多質点,高次モード Keywords : High -rise building, Wind response, Multi -mass system, Higher mode Hiroyuki HIRAI *1 Keisuke YOSHIE *2 Daiki SATO *3 Yuya SUZUKI *4 Haruyuki KITAMURA *5 As buildings have become higher, it is likely to find the wind loads that is equal to or even greater than the desing seismic loads. Therefore, it is important to estimate responses of high-rise buildings under fluctuating wind force. This paper presents contribution rate of higher mode wind response of multi-mass system for high-rise buildings by using a modal analysis in elasto range. Then, it shows that the wind responses are usually separated into the low and high frequency components, and the wind responses can be expressed as sum of them. The agreement between the predicted value based on coupling of two components and results of time-history analysis was finally confirmed. 1.序論 近年,中低層建築物に広く用いられてきた免震構造が,超高層建 築物にも適用される事例が増加している 1) 。主として免震構造は地 震時における入力エネルギーを低減させるために,アイソレータや ダンパーなどの免震装置を建築物の基礎または中間階に設けること で建築物の長周期化を図っている。しかしながら,免震構造による 建築物の長周期化は耐震性能を向上させるものの,風荷重の増大を 招く可能性がある。 一般に風外力のパワーは長周期側で卓越していることから,固有 周期の長い超高層建築物では風外力の影響が大きくなり,塑性化に よって固有周期が長周期化した場合, さらなる風外力の増加を招く。 また,台風や季節風のように長時間継続して強風が吹く場合は,累 積疲労の問題等が予想されるが,それらに対する詳細な検討や設計 法が確立されていないのが現状である。そのため,現行の耐風設計 2) では,建築物の規模に関わらず風荷重に対しては主要な構造骨組 みを弾性挙動の範囲内に留めることが一般的である。しかし,近年 の超高層免震建物では極めて稀に発生する暴風時の風荷重に対して, 免震層の鋼材ダンパーの塑性化を許容するが,疲労性能上問題のな い変形量に留める設計も行われてきている 例えば 3) 。今後も建築物の 高層化が進めば,免震構造だけでなく制振構造においても風応答に 対してダンパーの塑性化を許容する建物が増えることが予想され, 弾塑性風応答時の応答特性について十分な検討を進める必要がある。 構造物の弾塑性域での設計については,耐震設計の分野ではエネ ルギーの釣合に基づく設計手法 4) が既に実用化されている。この方 法は,変形や塑性化の度合いと履歴吸収エネルギーを直接関係づけ ることで,時刻歴応答解析を用いない応答予測を可能にし,構造設 計の信頼性を高めていると考えられる。一方,エネルギーの釣合を 利用した弾塑性風応答予測に関して,吉江ら 5) は,風応答は 1 次モ ードが支配的として,1 質点系を用いた風応答予測手法を研究して おり,その有効性を示している。しかし,上記の仮定は,塑性化後 の固有モードが弾性時のものと概ね同じであるような建築物に対し ては問題ないが,ある層が局部的に塑性化するような建築物に対し ては,塑性化後にモード形が変化し,そのモードに応じて等価質量 および固有周期が変動するため妥当ではない。後者のような建築物 に対しては,1 次モードのみでは不十分であり,高次モードまで考 慮した応答予測手法が必要になると考える。そこで,多質点系の風 応答を各次モード成分に分解し,それぞれのモード成分のエネルギ ー入力や応答を評価することは,多質点系での風応答予測手法の開 発のために重要であると考える。 本論文では,広帯域性の風方向変動風力を受ける多質点系での弾 塑性応答予測手法を構築するための基礎研究として,弾性モデルを 用いた検討を行う。はじめに,時刻歴解析によるモーダルアナリシ スを行い,高次モードが応答特性に与える影響を検討し,多質点系 での基本的な風応答特性を調べる。検討に当たっては,近年,変形 に依存する履歴減衰型や速度に依存する粘性減衰型制振部材が高層 建築物に数多く設置されている現状を踏まえ,層間速度および層間 変形に注目する。次に,吉江ら 6) , 辻田ら 7) の研究を参考にして, 風方向応答のような広帯域なランダム応答を,固有振動数より低振 *1 東京理科大学理工学研究科建築学専攻 大学院生 (〒278-8510 千葉県野田市山崎 2641)
doi:10.3130/aijt.18.79 fatcat:tfx7z7ck45gdblazcxcej6ac5a