Recent Aspects of Turfgrass Research Activities (2001–2013) II. Annual Bluegrass (Poa annua L.) Control with Bispyribac-Sodium
レビュー: 最近の芝草研究の動向—2001~2013年の研究から—2. ビスピリバックナトリウム塩を利用したスズメノカタビラ (Poa annua L.) の防除

International Relations Committee
Journal of Japanese Society of Turfgrass Sciense  
and Management(日本雑草学会英文誌) ,Weed Science, Weed Technol-ogy, 「芝草研究(日本芝草学会誌) 」および「雑草研究(日 本雑草学会誌) 」から該当するものを選び出した。さらに,紹 介した論文が引用している文献の中から,2001~2015 年に 発表された関連する論文を選び出した。それら論文の中か ら,英語もしくは日本語で記載された入手可能な 40 本の研 究を紹介する。 また,必要に応じて 2000 年以前に公開された論文および 直接にビスピリバックナトリウム塩を利用していないもの 21 本を引用した。なお,ビスピリバックナトリウム塩をは じめとする薬剤の散布量は,特別な記載がない限り,すべて 有効成分量(active ingredient (a. i.) )で表している。 Ⅰ.これまでの基礎的な知見 1.スズメノカタビラとは スズメノカタビラ(Poa annua L.)は,ほぼ 500 種存在す るイチゴツナギ属(Poa spp.)に属するイネ科の植物で,春 に出芽しその年のうちに一生を終わる 1 年生,または,秋に
more » ... 翌年の夏に一生を終わる 2 年生(越年生)が あるとされる 53, 56) 。イチゴツナギ属には,ツクシスズメノカ タビラ(P. crassinervis Honda) ,主要な寒地型芝草や寒地型 牧草であるナガハグサ(ケンタッキーブルーグラス:P. pratensis L.) ,本来は雑草であるものの海外では芝草として も利用されることがあるオオスズメノカタビラ(ラフブルー グラス:P. trivalis L.)などが含まれている。 一般に,スズメノカタビラは,形態と生態の違いから,亜 種として,大まかに P. annua var. annua と P. annua var. reptans Hausskn に分けられ,後者の亜種はツルスズメノカタ ビラと呼ばれている。P. annua var. annua は 1 年生または越 年生で直立して生育し,P. annua var. reptans Hausskn は短 期間ではあるが多年生を示し匍匐するとされている(図 1) 。 我が国では,両亜種の分類上の指標として植物体の基部以外 からの発根の有無を取り上げている。すなわち,基部から発 根するものを P. annua var. annua,基部以外に節から発根す るものを P. annua var. reptans としている (図 1 ①および②) 。 舘野ら 56) は,多くのゴルフコースから採取したスズメノカ タビラを発根させ,ほとんどすべてのサンプルが節から発根 し,しかも,節からの発根の程度が異なるものや,発根する ものの地上部の形態が P. annua var. annua に酷似している ものがあることから,節から発根するものすべてを亜種 P. annua var. reptans とすることは不合理であるとしている。 ゴルフ場に侵入しているスズメノカタビラが,外来の P. annua,あるいは亜種であるツルスズメノカタビラ(P. annua var. reptans)のいずれが主であるとしても,いずれも 節から発根し匍匐する草型をもち,ゴルフコースの管理に適 応していることは間違いない。我が国のスズメノカタビラの 分類と生態については舘野ら 56) の文献に詳述されているの でそれらを参照されたい。また,ここまでの記載の多くはそ の文献を参考にした。 スズメノカタビラは,欧米のゴルフコースでは最も重要な
doi:10.11275/turfgrass.44.2_99 fatcat:xnd6j66zingjbc6ndvqep3momu