Precise Preparation and Characterization of Ladder-Like Vinylpolymers by Intramolecular ATRP Compartmentalized in a Nano-Sized Test Tube

Noriyoshi OBARA, Yuki SHINOZAKI, Toshio YAMAGUCHI, Zhoulu WANG, Moriya KIKUCHI, Atsushi NARUMI, Seigou KAWAGUCHI
2019 Kobunshi ronbunshu (Tokyo)  
分子であることがわかった.また部分比容の値から棒の直径は 1.35 nm と決定された.ナノフラスコは光学的に透明な逆相 ナノエマルションからできており,分散相として 2,2,2-trifluoroethanol (TFE),連続相としてヘプタン,界面活性剤として 3-[dimethyl(octadecyl)ammonio]propane-1-sulfonate (C 18 APS) を用いて新規に調製された.MOI-EO-26 を内包したナノフラスコの構 造は SAXS 測定から精密に特性解析され,全長 17.6 nm,直径 2.8 nm の円柱もしくは長軸 11.4 nm と短軸 1.45 nm の扁平楕円体 であり,体積は 80~100 nm 3 のナノサイズの試験管であることがわかった.ナノ試験管中に画分化された MOI-EO-26 の分子内 ATRP が 55°C,CuBr と三種類の配位子を用いて行われた.その結果,配位子に 4,4B-dinonyl-2,2B-bipyridyl を用いた場合,分子 間の重合はまったく起こらず,二重結合消費率=61%,M w /M n
more » ... .07 で対応するラダーポリマー [poly(MOI-EO-26)] を回収率 100% で得ることができた.Poly(MOI-EO-26) の SEC における溶出体積は MOI-EO-26 よりも大きくなり,ラダーポリマーは流 体力学的にコンパクトな形態になることがわかった.また,poly(MOI-EO-26) をリサイクル分取 SEC で分画すると,大きい溶 出体積の成分ほど二重結合消費が高く,最大で 80% になることがわかった. 1 緒 言 主鎖に沿って 2 本以上の化学結合がつながった高分子 として定義されるラダー (梯子状) ポリマーは,繰返し 単位ごとに環構造を有するユニークな高分子である. ラダーポリマーは,通常の高分子よりも熱的および機 械的安定性に優れた高分子材料を与えると期待されて いる 1),2) .また近年,ラダーポリマーは気体の透過性と 選択性の両方に優れた気体分離膜 3)~ 5) ,非線形光学材 料 6) ,封止材 7) など機能性材料としての応用例も報告さ れている.しかしながら,可溶性かつ構造の明確なラ ダーポリマーを合成することは容易ではなく,これまで にポリシロキサン 6)~9) やパラジウム触媒を用いた特殊な 芳香族モノマー 10) ,および高温・高圧下での Diels-Alder 反応 11),12) を利用した報告例のみである. 一方,汎用性の高いビニルモノマー群からなるラダー ポリマーの合成は,テンプレート重合により試みられて いる.テンプレート重合は,鋳型となる分子の重合度と 分子量分布が得られる生成物と同等となるため,分子内 でのみ重合すると構造の明確なラダーポリマーを得るこ とが可能である.p-クレゾール-ホルムアルデヒド樹脂オ リゴマー 13) ,シクロデキストリン 14) ,ポリビニルアル 公益社団法人高分子学会 * 1 山 形 大 学 大 学 院 有 機 材 料 システム研 究 科 (〠 992-8510 米沢市城南 4-3-16) * 2 山形大学大学院理工学研究科 (〠 992-8510 米沢市城南 4-3-16) * 3 南京工業大学大学院先進材料研究科 (〠 210009 中国江蘇 省南京市新模苑馬路 5 号) * 4 山形大学工学部 (〠 992-8510 米沢市城南 4-3-16)
doi:10.1295/koron.2018-0058 fatcat:yxdqag2eczc6xkzwytqmpwchvy