Using Air-HAST to Accelerated Reliability Test on Surface Corrosion

Yuichi AOKI
2019 Journal of The Surface Finishing Society of Japan  
電子部品の耐湿性評価として HAST(Highly Accelerated Stress Test System) が用いられている。HAST は試験槽内の水 蒸気圧力を供試品の内部の水蒸気分圧よりも極端に高めるこ とで,水分侵入を時間的に加速できるため,もともとは半導 体など樹脂封止された部品への吸湿を促進し,その耐性を評 価することを主目的として,試験方法が規格化されたもので ある。後述するが高温高湿とは異なる定義の温度湿度環境の ため,HAST と高温高湿試験はそれぞれ別の試験法として実 施されている。しかしながら一部では高温高湿試験の加速試 験として HAST を活用しているケースもあるが,あくまで も加速モデルの相関性が確認されている場合に限る。さらに HAST の効果は吸湿の他に,金属表面の腐食促進に対しても 非常に有効であり,電子部品の腐食評価として,コネクタ端 子,電極部のめっき表面の評価にも使用されている。表面腐 食のうち酸化を伴う腐食には酸素の存在が不可欠であるが, HAST は原理的に酸素濃度が極めて低い。そこで酸素濃度を 高めた HAST
more » ... 酸化腐食が加速的に 促進することを目的として Air-HAST が考案された。本稿で はそれらについて事例を交えて解説する。 2 .HAST と Air-HAST の概要 , HAST は飽和型,不飽和型に分類される。IEC / JIS 不飽 和型加速試験として規格化されているが,飽和型も過去デー タとの相関性などの目的から利用されている。HAST は,医 用滅菌器 (オートクレーブ) を改造して製作された経緯があり, そのため HAST の原型は縦型を踏襲している。この構造は 上部に凝縮した結露が落下しやすく,評価への影響が懸念さ れた。その後,横型構造でかつ圧力容器上部の結露対策や, 様々な機能追加の結果,不飽和型 HAST が開発され現在に 至っている。ただし飽和条件での比較も可能とするため飽和 運転,不飽和運転いずれも可能なものとして開発された。現 在の HAST の基本構造を図 1 に示す。HAST で扱う相対湿度 は,大気圧下で定義されている相対湿度の概念とは異なる。 大気圧下では乾燥空気圧+水蒸気圧=全圧の関係を前提とし ている。この全圧は常に大気圧近傍となり,水蒸気圧は大気 圧以上に上昇することがない。しかし HAST では大気圧と 遮断された密閉容器内で,空気がほぼ存在しない水蒸気雰囲 気下で大気圧以上の水蒸気圧を実現させている。 このように HAST 環境実現の前提として水蒸気以外の気 体の排除があり,理論的には酸素も存在しないことが前提で あるが,実際には水中の溶存酸素や空気排出過程における弁 操作のタイミングにより,わずかな残留空気が存在する。こ のため酸素影響の強い腐食試験には装置内の残留酸素量の違 いが試験結果に影響する場合がある。そこで酸化腐食そのも のを加速することを目的として,空気を残留させた Air-HAST が考案された。しかし上述したように HAST の湿度定義が 水蒸気以外の気体を含まない前提であることから,最終章に 後述する Air-HAST の湿度定義に対しては課題があることを 最初に付け加えておく。 Air-HAST の原型は古く,1990 年に LED の加速劣化試験 事例が報告されている 。それぞれの制御方法の違いを図 2 に示す。HAST は上昇工程で排気弁を開き, 空気と水蒸気 (一 部) を排気するが,Air-HAST は上昇工程で排気弁を閉じ,槽 内の空気を残留させた状態で加圧 (大気圧+水蒸気圧) してい る。この場合のそれぞれの槽内に存在する空気と水蒸気の圧 Air -HAST による表面腐食の加速試験 青 木 雄 一 a a エスペック㈱ 神戸 R&D センター (〒 651-1514 兵庫県神戸市北区鹿の子台南町 5-2-5)
doi:10.4139/sfj.70.297 fatcat:u2qelma5krhfzj5oeipdttglt4