Sudden Cardiac Death and Dysrhythmia in Hemodialysis Patients
血液透析患者における心臓突然死と不整脈

Hiroki Hase
2012 Japanese Journal of Electrocardiology  
日本循環器学会や米国心臓協会 (AHA) ,米国心 臓病学会 (ACC) から,不整脈治療に関連したガイ ドラインが刊行されている.しかし,いずれのガイ ドラインも血液透析患者の特殊性を考慮していない ため,日本透析医学会 (JSDT) では独自に 「血液透析 患者における心血管合併症の評価と治療に関するガ イドライン」 を作成し 1) ,第 4 章 「不整脈・心臓弁膜 症」 で透析患者特有の不整脈発症原因,評価法,お よび治療に関してのステートメントとその解説がな されている. Ⅱ.疫学と病因 血液透析患者における心臓突然死は JSDT 統計調 査では約 5% 2) ,米国腎臓データシステム (USRDS) では約 26% 3) と報告され,一般市民に比較して 25 ~ 130 倍と非常に高頻度に発症する.血液透析患者に おける心臓突然死は,透析治療開始後 12 時間以内 と中 2 日を空けた透析治療前 12 時間以内に発症の ピークがある 4) .透析治療開始後 12 時間以内に心 臓突然死の発症が多い原因は,透析治療における除 水に伴う交感神経系の賦活と低 K +
more » ... 長谷弘記 血液透析患者は非慢性腎臓病患者に比較して心臓突然死の発症頻度が 25 ~ 130 倍高く,透析治療開始後 12 時間以内と中 2 日を空けた透析治療前 12 時間以内に ピークを有する.その主な原因として血中 K + 濃度の急激な変化,虚血性心疾患や 慢性うっ血性心不全を高率に合併すること,透析治療中に急速に減少する体液量な どによってもたらされる交感神経系の持続的賦活化があげられる.また,植込み型 除細動器 (ICD) による予後改善効果は不十分であり,抗不整脈薬の使用も限定され る.一方,心房細動 (AF) は高齢透析患者の 30% 以上に合併する.非慢性腎臓病患 者に合併した AF では,血栓性合併症を予防するワルファリン治療が最も優先され るが,透析患者では脳出血のみならず脳梗塞発症リスクを増大させる.以上,透析 患者に合併した不整脈を治療する際には,その特異性を理解する必要がある. (心電図,2012;32:321 ~ 326) Keywords ⃝血液透析 ⃝心臓突然死 ⃝致死性心脂質不整脈 ⃝心房細動 ⃝レート・コントロール 東邦大学医療センター大橋病院腎臓内科 (〒 153-8515 東京都目黒区大橋 2-17-6) 慢性腎疾患 (不全) と不整脈:血液透析患者の不整脈管理を含む 血液透析患者における心臓突然死と不整脈 第 28 回日本心電学会学術集会 学術諮問委員会指定トピックスより Sudden Cardiac Death and Dysrhythmia in Hemodialysis Patients Hiroki Hase JPN.
doi:10.5105/jse.32.321 fatcat:cf6secwfmngldj7kq3vrmtwnm4