日本風工学会賞(功績賞)を受賞して

Osamu NAKAMURA
2019 Wind Engineers JAWE  
この度,2018年度日本風工学会功績賞を賜り,誠にあ りがとうございます。 私が風工学の分野に係るきっかけは卒論の選択でし た。亀井勇先生のとても魅力的な講義をお聞きし,先生 の研究室に移ることにしました。当時助手でおられた丸 田栄蔵先生には,研究の仕方や面白さなど,公私にわた りご指導いただき感謝しております。とは言え,研究に 携わるほどの能力もないので,入社が決まった鹿島建設 では,施工の分野に進むつもりでした。ところが,当 時,霞が関ビルが建設される等,超高層ビルの曙の時期 でビル風の問題が提起され,その必要性から技術研究所 に配属されることになりました。その後,ジェネコンで は風洞の建設が相次ぎました。 そこで吉田正昭さん(風工学研究所創立者)とお会 いし,その後の私の人生が大きく変わることになりまし た。勤続10年目頃にお声掛けいただきました,『風工学 研究所という会社を立ち上げるから手伝ってくれない か』。二つ返事で了解しました。後で,ほんとによいの かなと思いながら,深く考えずに,5年後に転職しまし た。予想はしていましたが,吉田さんの力は偉大で,と
more » ... くさん取ってきます。現在に至る まで,数多くの高層ビル等に係り,また,新都庁舎,ラ ンドマークタワー,スカイツリーなど,名高い建物の大 半に関係することになります。業務を通じながら風環境 の評価指標を確立しました。この評価指標はご存知のよ うに条例の中などで推薦され,風環境評価におけるスタ ンダートの一つとなり,現在も広く用いられています。 実のところ,この評価指標は私が風工学研究所に移る前 に,既に吉田さんと丸川比佐夫さん(当時,風工学研究 所)から提案されていたもので,その後少し手を加えた りしましたが,基本的にはお二人のお考えです。 以上の間,多くの方々にご指導およびご協力をいた だきました。中でも,大熊武司先生と田村幸雄先生には 研究面でも実務面でもお世話になりました。特に,風揺 れによる居住性能評価指針を建築学会から刊行する時に お声掛けいただいたことは強く記憶に残っています。確 か,風工学の関係者は,お二人以外は私だけだったよう な気がします。耐風設計上の知識の多くはここで築かれ ました。お二人には,この他,沢山の件でご指導いただ き,本当に感謝しております。 博士の取得は,私には縁のないことと思っておりまし たが,東北大学の山田大彦先生,植松康先生にお世話に なることとなります。植松先生とは委員会などでよくお 会いし,いろいろご指導いただいておりましたが,山田 先生とは初対面に近い状況でした。とても親近感のある ご指導の上手な方で,教わりたい先生とはこのような方 なのかと思ったのを記憶しております。 風工学会については,設立当時,吉田さんと石崎先 生がお話ししているのを記憶しておりますので,おそら く初めから会員であったはずです。その後,いろいろお 手伝いさせていただきましたが,本格的には監事になっ てからです。監事・理事を9期務めさせて頂きました。 主に財務に関して担当させていただきました。社会情勢 の変化に関連し会員の減少などに伴う財政の悪化が示さ れ,この問題に取り組むこととなりました。大したこと はできませんでしたが,最後の2期くらいでしょうか, 1.まえがき 長大橋梁の分野においては,この 30 年極めて多くの吊 橋や斜張橋などが建設されてきた。 そのようななかで, 耐 風工学に関係する技術に限っても, 風洞実験法, 耐風性の 高い構造形式,空力制振法や機械的制振法などの分野で 著しい進歩があり,現実の設計にも生かされてきた 1) 。近 年, 構造解析技術やコンピュータの進歩に伴い, 長大橋梁 の挙動を精度よくシミュレーションすることができるよ うになった。耐風の分野で言えば,CFD による流れと橋 梁の相関解析には特段の進展が見られる。 しかし, すべて のことが正確にシミュレーションできるようになったわ けではなく, 境界条件や内部条件, 外力などの情報は実際 白鳥大橋主塔に見られた塔面内方向調和的限定振動の特性と風洞実験による再現 Along-wind almost-harmonic vibration observed at Hakucho-Bridge pylons and its wind tunnel experiments 水谷 司 *1 小林 寿彦 *2 藤野 陽三 *3 シリンゴリンゴ・ディオニシウス *4 Tsukasa MIZUTANI Toshihiko KOBAYASHI Yozo FUJINO Dionysius SIRINGORINGO SUMMARY This paper describes an along-wind vibration of frame-type pylons of Hakucho Suspension Bridge found from longterm vibration monitoring data. It is shown that the vibration is very harmonic although its amplitude is small and it occurs under certain ranges of wind direction (10~30 degree from the bridge perpendicular axis) and of wind velocity (13~25 m/s). The dominant frequency of the vibration is either 0.6 Hz or 0.8 Hz depending on the wind velocity and these correspond to the natural frequencies of the in-plane pylon dominant modes of the suspension bridge. A series of the wind tunnel experiments using a spring-supported scaled model are conducted under uniform flow and the alongwind pylon vibration was observed and its vibration characteristics is found to be consistent to those observed in Hakucho Bridge. It is also found that the vibration is very sensitive to the incident angle of wind and to the distance between the two columns. key words: suspension bridge, in-plane oscillation, vortex induced vibration, wind tunnel experiment ---1.まえがき 長大橋梁の分野においては,この 30 年極めて多くの吊 橋や斜張橋などが建設されてきた。 そのようななかで, 耐 風工学に関係する技術に限っても, 風洞実験法, 耐風性の 高い構造形式,空力制振法や機械的制振法などの分野で 著しい進歩があり,現実の設計にも生かされてきた 1) 。近 年, 構造解析技術やコンピュータの進歩に伴い, 長大橋梁 の挙動を精度よくシミュレーションすることができるよ うになった。耐風の分野で言えば,CFD による流れと橋 梁の相関解析には特段の進展が見られる。 しかし, すべて のことが正確にシミュレーションできるようになったわ けではなく, 境界条件や内部条件, 外力などの情報は実際 白鳥大橋主塔に見られた塔面内方向調和的限定振動の特性と風洞実験による再現 Along-wind almost-harmonic vibration observed at Hakucho-Bridge pylons and its wind tunnel experiments 水谷 司 *1 小林 寿彦 *2 藤野 陽三 *3 シリンゴリンゴ・ディオニシウス *4 Tsukasa MIZUTANI Toshihiko KOBAYASHI Yozo FUJINO Dionysius SIRINGORINGO SUMMARY This paper describes an along-wind vibration of frame-type pylons of Hakucho Suspension Bridge found from longterm vibration monitoring data. It is shown that the vibration is very harmonic although its amplitude is small and it occurs under certain ranges of wind direction (10~30 degree from the bridge perpendicular axis) and of wind velocity (13~25 m/s). The dominant frequency of the vibration is either 0.6 Hz or 0.8 Hz depending on the wind velocity and these correspond to the natural frequencies of the in-plane pylon dominant modes of the suspension bridge. A series of the wind tunnel experiments using a spring-supported scaled model are conducted under uniform flow and the alongwind pylon vibration was observed and its vibration characteristics is found to be consistent to those observed in Hakucho Bridge. It is also found that the vibration is very sensitive to the incident angle of wind and to the distance between the two columns.
doi:10.5359/jawe.44.423 fatcat:5khyfuix55darobhbz7a2dz5i4