Platelet substitutes

Makoto HANDA, Yosuke OKAMURA, Shinji TAKEOKA, Yasuo IKEDA
2008 Japanese Journal of Thrombosis and Hemostasis  
特集 血小板を作ろう 総説 血小板は一次血栓形成を通じて生体の止血機 構の中心をなし,その量的・質的異常により惹 起される出血の予防や治療に対し唯一信頼でき る手段は血小板輸血である.高度な医療に必須 な血小板の必要量は将来も減少することはな く,一方,人口減と高齢化に伴う献血者数の低 下などでその供給量の減少が予想されること, そして,短い期限(4 日)で厳密な保存条件が 要求されることから災害時等への緊急対応が極 めて困難であること,などから液状の血小板濃 厚液に代わる安定的な製造物(血小板代替物, platelet substitutes)の開発が行われてきた. 1 広義の血小板代替物は,血小板そのものを加 工した血小板由来産物と,血小板以外の構成成 分から成り立った人工産物に大別され,後者 がいわゆる狭義の血小板代替物(人工血小板 : artificial platelets)である 1) .前者の開発の歴史 は古く,米国において軍事目的のための国防費 による研究が実に 50 年代から始まった.その 結果,固定血小板や凍結乾燥血小板,あるい
more » ... sible platelet membrane : IPM)などが開発され,IPM は初期 臨床研究(フェーズ I / II)に供された.一方, 後者は生体適合性のある担体(赤血球,アルブ ミン微粒子,リン脂質小胞体:リポソームなど) を用い,その表面に血小板受容体やリガンドを 結合させたもので,90 年代初めにフィブリノゲ ンやその合成ペプチド(RGD)をコートした赤 血 球(Thromboerythrocyte)が 先 駆けとなり, いくつかの微粒子が開発され,フィブリノゲン を表面固定したアルブミン微粒子 (Synthocyte TM
doi:10.2491/jjsth.19.774 fatcat:ubmtzy7lpjgdxpj4svhoq33bfa