4W より当院入院となった。X + 4 ~ 8W では,病院内で全般 的な注意機能訓練を中心に実施し,X + 8W より自宅での動 作確認を行った際,ガスコンロ・洗濯機・炊飯器・電子レン ジの使用が困難であった。そのため,家事動作自立を目指し た電化製品の手順の指導をエラーレス訓練法で 4 度に分けて 実施した。 〔結果〕ガスコンロは,手順の間違いがなくなり,スムー ズに着火までの工程が行えるようになった。洗濯機も手順の 間違いがなくなった。炊飯器は,適切な手順で道具の使用が 可能となった。電子レンジは,出力・時間を合わせる工程で 混乱見られ,作業獲得には至らなかった。 〔考察〕先行研究より,失行症状に対して机上訓練よりも 現実に即した実際の訓練が有効であると報告されている。今 回の症例は,電子レンジの使用に関しては不十分であったも のの,全体として先行研究を支持する結果となった。電子レ ンジの使用の動作学習が進まなかった要因として,作業の工 程が複雑であり自由度が高いこと,訓練頻度が少なかったこ と,病前の使用頻度が少なかったことが考えられた。