Environmental Factors Influencing Wintering Birds in Metropolitan Riparian Area and its Surroundings

Yutaka TAKABAYASHI, Wataru FUKUI, Shushi MIYAMOTO
2018 Journal of The Japanese Institute of Landscape Architecture  
1.研究の背景 近年,都市の生物多様性が重要視されている。これは都市域の 拡大による生物の生息域の分断・孤立を防ぎ,人々が身近な空間 で生物と触れ合える利点がある 1 ) 。人々が生活する都市に生物生 息空間を形成する際に,今後の都市計画と整合性を図った緑地計 画の視点が必要だと考えられる。日本の総人口は,2015 年度は 1 億 2,709 万人であったが,2040 年に 1 億 1,092 万人になり,さ らに 2065 年には 8,088 万人になると推定されている 2 ) 。このよ うな人口減少を受けた今後の都市計画として,都市機能を多極的 に集約化し,それらを公共交通でつなぐ多極ネットワーク型のコ ンパクトシティの形成が,2050 年までの指針とされている 3 ) 。今 後集約化が進むであろう都市において,生物多様性を確保する緑 地計画を推進させるためには,ケーススタディとして人口密度が 高く建築物が密集する景観の生物多様性に関する知見の蓄積が必 要だと考えられる。前述した特徴を有する大都市圏に目を転じる と,人口密度の高さや建築物の密集,網の目のような道路網など
more » ... 集,網の目のような道路網など の諸要素が見られ, 都市インフラについて考慮すべき要素は多い。 その要素のひとつである都市の河川について見ると,都市の河川 は緑地や水辺空間などを生態的回廊でつなぐ「水と緑のネットワ ーク」を形成する際の軸として捉えられており 1 ) ,今後の都市の 生物多様性を考えるうえで重要な緑地だと考えられた。以上の背 景を受けて, 本研究では大都市圏の河川の生物多様性に着目した。 本研究では,生物多様性の指標として知見の蓄積が多い鳥類を 研究対象とした。河川や水辺空間の鳥類に関する既往研究から, 砂礫地 4-6 ) や砂礫地から河畔林までの自然被覆要素, 水際から堤防 法面までの勾配 7 ) ,陸域と水域の間のコンクリートによる緩衝帯 8 ) などが主に水上で生息する水鳥の出現に影響すると報告されて いる。また川幅 4 ) や高茎草地の面積 9 ) ,自然植生要素の数 10 ) ,建 築物や樹木,芝生の面積 8 ) ,造成地の有無や騒音,交通量の大小 11 ) ,周辺河川までの距離,空間の開放度,草地の面積 12 ) などが水 鳥以外の陸域で生息する鳥類の出現にも影響すると報告されてい る。さらに,都市の緑地の鳥類に影響する環境要因として,緑地 の面積 13,14 ) や植生構造の複雑さ,下層植生の有無 15-17 ) ,緑道の連 結 18-20 ) ,建築物や舗装地の面積 21,22 ) などが報告されている。しか し,建築物が密集する大都市圏の河川における鳥類に関する研究 は,周辺環境を加味しない,水際付近の限定された範囲内での研 究 8 ) はみられるが,未だ少ない現状にある。 よって本研究では大都市圏の河川における鳥類の出現傾向と広 域的な周辺環境を含む土地被覆との関係性の把握を行ない,今後 集約化が進むであろう都市の生物多様性向上に寄与する緑地計画 の基礎的な知見を得ることを研究の目的とした。 2.研究方法 (1)研究対象地 推計人口 2,702,033 人, 人口密度が 1km 2 あたり 11,998 人の大 阪市 23 ) を建築物の密集する大都市圏の一例として選定し, 大阪市 を流れる大川の沿道空間を研究対象地とした(図-1) 。大川は一 級河川に指定された淀川の支流のひとつである。北側に淀川,南 東に大阪城公園が位置し,東と西には住宅地が,南西には中之島 大都市圏の河川とその周辺域における越冬期の鳥類に影響する環境要因 Abstract: Biodiversity conservation in urban areas is one of the key task for landscape and urban planning. The concept of 'compact city' provides new possibilities for creating open spaces which can be habitats for many species in urban areas. The purpose of this study is to clarify the environmental factors influencing populations of wintering birds in metropolitan riparian area and its surroundings to obtain useful guidelines for enhancing urban biodiversity. We surveyed populations of birds and land covers along the river called Okawa in Osaka prefecture in winter 2016. To find the environmental factors influencing populations of birds, we used the Generalized Liner Mixed Model (GLMM). As a result, Passer montanus, Columba livia, Hypsipetes amaurotis, Spodiopsar cineraceus, Turdus naumanni, and Motacilla alba adapted to the metropolitan riparian area. Through this study, we got two results for urban biodiversity. 1) The presence of high trees, non-pavement open spaces, curved water edge and concrete banks along the river, influenced some bird's populations with the distance from the nearest other rivers or forests. 2) Though a lot of species avoided buildings or pavement open spaces, some species like Corvus macrorhynchos, Phoenicurus auroreus and Motacilla alba, used these areas.
doi:10.5632/jila.81.695 fatcat:bmjrmiowzfbxzmbfrmxcai7h3q