Control of Thermal Behavior of Starch
澱粉のあばれの制御

Koji Takahashi
2014 Nippon Shokuhin Kagaku Kogaku kaishi  
Several approaches for controlling the thermal behavior of starch were discussed from the viewpoint of the structural stability and hydration of starch chains, which are closely related to the quality degradation of starchy foods due to the collapse of swollen starch granules. The approaches discussed included the development of an enzymatically cross-linked collagen peptides-starch compound, an amino acid-compounded starch by autoclaving, a fatty acylated saccharide-lysine-starch conjugate by
more » ... tarch conjugate by autoclaving, an oleyl starch by lipase-catalyzed synthesis, as well as a technique controlling the thermal stability of starch by adding charged amino acids and charged amino acid-rich peptides. These approaches should be valuable for improving the multiple functional properties of starch in terms of increased structural thermal stability, reduced swelling and viscosity, enhanced thermal resistance, easy vaporization of water from fried coatings, and endowed surface active property. Keywords : multiple improvement of starch, enzymatically modified starch, amino acid-compounded or -conjugated starch, enhanced thermal resistance, easy vaporization of water 澱粉は,エネルギー源や多くの食品の物性形成素材とし て,食品産業において特に重要である.澱粉は古くからな じみのある素材であるものの,利用の基盤となる澱粉の特 性は複雑で,その問題も根深い.そのため,実際に澱粉や 澱粉性食品を扱う段になると戸惑いも多く,産業的にも澱 粉に対する利用上の要求は多岐に亘り,かつ,根強く熱い ものがある.とりわけ,粘度は高く,しかし,糊状感は抑 えたい,また,フライ衣の食感がいつまでもクリスピーで ドライであるよう,あい反する物性やいずれ必然的に状態 変化が起こるのにそれを克服するよう要求される.しか し,これが基本的にとても厄介でこれまで種々工夫が凝ら されてきたが, 未だに解決されていない.これらの要求は, いずれも澱粉の持っている物理的特徴の制御に根差した問 題に帰結するといえる.澱粉は不溶性の粒状の形態をもっ ている.水とともに加熱されると澱粉は状態を大きく変 え,それが連続的に変化するがゆえに,望む状態でとどめ て要求物性に応えるように制御することが難く,ついには 状態変化が暴走し(あばれ)て手こずることが多いためで ある.そこで本稿では,澱粉のこのあばれをできたら制御 したいと考え,先ず澱粉のあばれの基本的要因を整理し, 次にその要因に応じた制御方法を導き,さらにその制御方 法に基いて,できたら食品に適用できる実際的澱粉のあば れの制御方策を論じたい. 1. 基本的要因 澱粉は,通常直鎖のアミロース(多くは短い分岐をもつ) と多数の分岐鎖をもつアミロペクチン(馬鈴薯澱粉ではそ れぞれ 10 5 と 10 8 のオーダーの分子量 1) )成分の混合物で, 複数の澱粉合成酵素により生合成される.その後特徴的高 次構造を取りながら高密度に配向して植物起源に固有の形 状と粒径をもった, 水に不溶の澱粉粒を形成する.しかし, 澱粉は,タンパク質とは異なり分子構造も分子量も不揃い な構造的特徴をもつ生体高分子であるために,明晰な因果 関係に基づいたきっちりした研究には明らかに不向きなも のである.そのため多くの試行錯誤を重ねて格闘しなけれ ばならない宿命をもつが,少しでも試行錯誤が少なくスジ の通った論理的アプローチができればと考え,問題とされ るあばれの基本的要因を整理することから先ず始めたい. 〒183-8509 東京都府中市幸町 3-5-8 東京農工大学農学部硬蛋白質利用研究施設 連絡先,da73845@c3-net.ne.jp
doi:10.3136/nskkk.61.557 fatcat:m7sboya6e5c6vcnql7tolop4fe