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Impacts of fish farming on environments and sustainable aquaculture
魚類養殖の環境インパクトと持続的生産
2009
Nippon Suisan Gakkaishi
魚類養殖の環境インパクトと持続的生産
1. はじめに わが国では 1960 年代以降,海面を使用した給餌型魚 類養殖が発展し,2006 年には養殖業を含む沿岸漁業の 中で生産量の 10,生産額の 22 を占めるようになっ た。その一方で,貧酸素化や硫化物の発生などいわゆる 自家汚染と呼ばれる現象が頻発し,持続的な養殖生産に 疑問が生じるようになった。魚類養殖が周辺環境に及ぼ すインパクトを正しく把握し,好適な立地条件のもとそ れぞれの漁場が有する環境収容力の範囲内で養殖を営む こと,および適正給餌量を知り,過剰給餌を防止するこ とが自家汚染防止の鍵になる。養殖による有機物負荷が 環境収容力の範囲内に止まれば,養殖由来有機物はバク テリアにより好気的に分解されたり,底生動物に餌とし て取り込まれ,生態系の中に円滑に組み込まれる。しか し,環境収容力や適正給餌量を把握することは難しく, 現在,その算定手法の確立が求められている。これらの 観点から,筆者らは環境収容力や適正給餌量の推定手法 や養殖由来有機物の環境中での流れを追跡する手法を検 討している。本稿ではこれらの概要を紹介する。 2.
doi:10.2331/suisan.75.96
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