Substrate specificity of phospholipase A2 isozyme from the pyloric ceca of the starfish Asterina pectinifera
イトマキヒトデ幽門盲のう由来ホスホリパーゼA2アイソザイムの基質特異性

HIDEKI KISHIMURA, KENJI HAYASHI
2004 Nippon Suisan Gakkaishi  
Phospholipase A 2 isozyme (PLA 2 II), which showed diŠerent mobility on native PAGE from that of the PLA 2 (PLA 2 I) puriˆed previously, was isolated from the pyloric ceca of the starˆsh Asterina pectinifera. The PLA 2 II was mainly oleic acid released from 1 palmitoyl 2 oleoyl sn glycero 3 phosphocholine. The N terminal amino acid sequence of the PLA 2 II was SVYQF. For hydrolysis of egg yolk phosphatidylcholine, the optimum pH and temperature of the PLA 2 II were at around pH 9.0 and
more » ... 0°C, respectively, and the activity was enhanced by 1 mM or higher concentration of Ca 2+ . The PLA 2 II as well as porcine pancreatic PLA 2 did not show fatty acid speciˆcity for hydrolysis of phosphatidylcholine from squid mantle muscle. The PLA 2 II from the pyloric ceca of A. pectinifera, however, hydrolyzed phosphatidylcholine more eŠectively than phosphatidylethanolamine unlike porcine pancreatic PLA 2 . These characteristics of the PLA 2 II were the same as those of the PLA 2 I. キーワードホスホリパーゼ A 2 ,アイソザイム,基質極性基特異性,イトマキヒトデ,幽門盲のう ホスホリパーゼ A 2 (PLA 2 ) [EC 3.1.1.4]は,1,2 ジアシル型グリセロリン脂質の sn 2 位の脂肪酸エステ ルを特異的に加水分解する酵素であり,ほ乳動物すい臓 の PLA 2 が古くからよく研究されている。 1 4) ほ乳動物 すい臓 PLA 2 は分子量約 14,000 で,分子内に 7 つのジ スルフィド結合を有する安定なタンパク質である。ま た,その活性発現には 1 mM 以上の Ca 2+ を必要とし, pH 9 付近に最適 pH を示す。 5) 一方,海産無脊椎動物由 来の PLA 2 に関する研究はほとんど無い。 先に,我々は北海道沿岸で採取されたヒトデ類 4 種 (イトマキヒトデ Asterina pectinifera,ニチリンヒトデ Solaster paxillatus , ニ ッ ポ ン ヒ ト デ Distolasterias nip-pon,およびヒトデ Asterias amurensis )の幽門盲のう から調製した粗酵素液中のホスホリパーゼ A(PLA) 活性を測定し,イトマキヒトデ幽門盲のうの PLA 活性 が他 3 種のそれらに比べ著しく高値であることを見い 出 し た 。 6) そ こ で , イ ト マ キ ヒ ト デ 幽 門 盲 の う か ら PLA 2 の精製を試み,その結果,1 種類の PLA 2 (PLA 2 )が単離精製された。精製されたイトマキヒトデ幽 門 盲の う PLA 2  は pH 9.0 付 近 に最 適 pH を有 し ,1 mM 以上の Ca 2+ により強く賦活され,また,基質リン 脂質の sn 2 位に結合する脂肪酸をその鎖長や二重結合 数によらず非特異的に加水分解した。 7) イトマキヒトデ 幽門盲のう PLA 2 のこれらの性質は,ほ乳動物すい臓 PLA 2 のそれと同様であった。しかしながら,イトマキ ヒトデ幽門盲のう由来の PLA 2 (182×10 4 U/mmol) の活性は,同様の方法で測定した市販のブタすい臓 PLA 2 ( Sigma Chemical Co. ) の 活 性 ( 6.0 × 10 4 U / mmol)と比較して 30 倍高く,また,ホスファチジルエ タノールアミン(PE)に比べてホスファチジルコリン (PC)をよく分解し,基質極性基に対する特異性におい てブタすい臓 PLA 2 と異なる性質を示した。 7) また,前報 8,9) において,イトマキヒトデ幽門盲のう PLA 2 の全アミノ酸配列を決定した。イトマキヒトデ 幽門盲のう PLA 2 は 137 アミノ酸残基から成り,その 分子量は 15,300.1 と算出された。また,イトマキヒト
doi:10.2331/suisan.70.54 fatcat:ehbga5ogjnba5i3jf4mnm3yibu