Critical Shoulder Angleと関節鏡下腱板修復術の術後成績との関連

2020 Orthopedics & Traumatology  
は じ め に 近年 critical shoulder angle(以下 CSA)が大き い症例では腱板断裂を発症しやすいという報告が散見 される.一方,関節鏡下腱板修復術(以下 ARCR) の術後成績と CSA との関連については報告が少なく, 一定の見解が得られていない.今回我々は,ARCR 後の術後成績と CSA の関係について検討を行ったの で報告する. 対 象 と 方 法 対象は関節鏡下に suture-bridge 法もしくは double row 法で腱板を修復し,術後 1 年以上経過観察可能 であった 76 例 76 肩であった.CSA が 35 度未満の群 と 35 度以上の群に分け,CSA 35 度未満(以下 under under 群 14.0 %,over 群 15.4%で 2 群間に有意差を認めなかった.術後 impingement 徴候の有無で 2 群に分け評価を行ったが, 2 群間で平均手術時年齢,平均観察期間,断裂サイズ 近年 critical shoulder angle(以下 CSA)と腱板断裂及び修復後腱板再断裂に関する報告が散見され
more » ... 院で行った関節鏡下腱板修復術(以下 ARCR)患者における CSA と臨床成績,再断裂及び impingement 徴候の関連を検討したので報告する.対象は当院で ARCR を施行し,1 年以上経過観察可 能であった 76 肩とした.CSA が 35 度未満の群(以下 under 群)と 35 度以上の群(以下 over 群)に分 けて,術前後の JOA score,修復腱板の再断裂率,impingement 徴候の陽性率を評価したがいずれも 2 群間に有意差を認めなかった.Impingement 徴候陽性率は under 群では術後有意に改善し,over 群では 改善傾向にあるものの統計学的有意差を認めなかった.以上の結果より術後の impingement 徴候の有無 に CSA が関与する可能性が示唆された. Key words: critical shoulder angle(クリティカルショルダーアングル) , arthroscopic rotator cuff repair(関節鏡下腱板修復術) , impingement(インピンジメント) , re-tear(再断裂) * 鹿児島大学大学院運動機能修復学講座整形外科学 ** 鹿児島大学大学院医療関節材料開発講座 -181 -
doi:10.5035/nishiseisai.69.409 fatcat:sjzcn5xktvbyvpz2pe7ypkdj7i