Otolith microstructure and microchemistry were examined in the early life stages of Siganus guttatus and S. fuscescens collected around the Yaeyama Islands, Okinawa Prefecture. The formation of a settlement mark, characterized by a rapid decrease in otolith increment width, was found to occur at settlement of both species. Otolith Sr:Ca ratios, analyzed using an electron probe micro analyzer (EPMA), were relatively constant in the pelagic larval period, followed by an increase in the ratio 4 5

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... days before settlement. This microchemical change associated with settlement was independent of year class and species in spite of the fact that the nursery grounds of both siganidˆshes are distinct in environmental conditions. These results suggest that otolith Sr:Ca ratios at the pre-settlement stage of the two siganidˆshes are endogenously controlled. キーワードアイゴ,ゴマアイゴ,耳石,ストロンチウム,着底マーク ゴ マ ア イ ゴ Siganus guttatus お よ び ア イ ゴ S. fuscescens は西部太平洋低緯度地方を中心とした広い海域に 生息する水産上重要な沿岸魚類であり, 1) 我が国では沖 縄県において小型定置網等の主要な漁獲物となってい る。 2) 両種の成育場は,ゴマアイゴではマングローブ域 周辺の汽水域, 1,3) アイゴでは藻場であるため, 4 6) 資源 の維持増大を図るためには沿岸環境の保全が不可欠で あると考えられる。一方で,稚魚期以降のアイゴ属は基 本的に植物を主食とするうえ,加入量の年変動が大きい ことから, 7) アイゴ属魚類の個体群変動が生態系に及ぼ す影響も小さくないと考えられる。実際に,アイゴの分 布域と大型海藻群落の分布域とが重複する我が国温帯水 域では,アイゴの摂餌活動が磯焼けの主要因となってい る事例が多数報告されている。 8,9) 近年の温暖化の進行に よってアイゴの個体数や摂餌量がさらに増大する恐れが あるため,様々な側面から食害防除対策が検討されてい る。 10 12) しかし,個体群動態の鍵を握る仔稚魚期の生態 に関する知見は非常に少ないため,アイゴの加入過程を はじめとした食害発生機構に関する情報が不足している。 一部の魚種では,耳石微細構造が着底時に特徴的な変 化(着底マーク)を示すことが知られており,この着底 マ ー ク を 利 用 し て 浮 遊 期 間 等 の 分 析 が 行 わ れ て い る。 13,14) 浮遊期仔魚の同定が困難なアイゴ属魚類では, 初期生態を研究するうえで着底マークの重要性は特に高 いが,耳石微細構造に関する研究例はない。また,耳石 ストロンチウム カルシウム比も加入過程の研究に利用 できる可能性があるが,耳石ストロンチウム カルシウ ム比の環境応答は魚種によって異なっているため,詳細 な検討が必要である。 本研究では,アイゴの分布域の中心に近い八重山諸島 周辺海域を調査対象として,着底に伴う耳石微細構造な らびに耳石ストロンチウム カルシウム比の変化を,生 活様式の異なるゴアアイゴと比較し,アイゴの個体群変 動様式解明のための基本的知見を収集することを目的と した。なお,アイゴ S. fuscescens ならびに S. canaliculatus については分類学的な混乱がみられるが,ここでは