Characteristics of Steel and PET Fiber-Reinforced Mortar in Four-Point Bending
鋼繊維とPET繊維補強モルタルの4点曲げ特性

Kuniyuki MIYAZAKI, Seisuke OKUBO, Katsunori FUKUI
2007 Journal of MMIJ  
1.は じ め に 繊 維 補 強 コ ン ク リ ー ト / モ ル タ ル (Fiber reinforced concrete / mortar,FRC / FRM) とは,マトリックス ( 母材 ) と呼ばれるコン クリート/モルタルの中に,補強材として繊維を一様分散させた ものである。繊維に炭素鋼を用いた鋼繊維補強コンクリート/モ ルタル (Steel fiber reinforced concrete / mortar,SFRC / SFRM) は導 入された時期が早く,国内では最も多く使用されてきた。繊維と しては鋼繊維以外にもポリプロピレン繊維やポリビニルアルコー ル繊維,アラミド繊維などが使用されてきた。最近になって,越 智らにより PET 繊維が開発された 1) 。その特徴は扱いやすさ, あるいは施工の容易さといえる。 FRC は曲げ応力を受ける場合に使用されることが多い。その ため,長年にわたって使用されてきた SFRC の曲げ試験は多くお こなわれている 2-13) 。高木ら 2) は,SFRC の曲げ強度は繊維混入 率 ( 体積混入率 )
more » ... ,例えば 2.0 % 混入する と繊維を全く加えないときの約 2 倍になると報告している。 また, 末永ら 3) は, 破壊に要するエネルギーの指標として, たわみが 0.5 mm となるまでの曲げ応力-たわみ曲線の面積を求め,繊維混入 率 2.0 % では繊維を全く加えないときの 19 ~ 30 倍にもなること を示した。このように SFRC は延性を増すことにより,き裂が生 じても直ちには最終破壊には至らないといった利点があり,トン ネルや法面の保護などの用途に好適といえる。しかしながら,通 常の曲げ試験は万能試験機を使用しておこなわれるため,曲げ試 験体に加わる荷重がピークを越えた後,たわみの増大にともなっ て荷重が下がっていく部分の正確な試験結果を得ることはかなり 難しい。また,き裂の進展と荷重やたわみとの関係を正確に把握 することも難しいとされている。 PET 繊維補強コンクリート/モルタル (PET-FRC / PET-FRM) に 関する研究は,最近になっていくつか発表された。越智ら 1) や 宮崎ら 14,15) は,混練性や耐アルカリ性,基本的な力学特性など を調べ,PET 繊維の実用可能性について検討し,コンクリート補 1 2 3
doi:10.2473/journalofmmij.123.75 fatcat:ahxobk3iavg6bcyrwfa62imbdm