INFLUENCE OF HANDLE SHAPE OF A SLIDING DOOR ON WHEELCHAIR USERS' DOOR-OPENING BEHAVIOR

Akiko KUBO, Masafumi YONEDA, Masashi SOEDA
2018 AIJ Journal of Technology and Design  
We examined the effect of sliding door handles that expand operation range in terms of door-opening behavior of wheelchair users. An experiment was conducted to verify if the wheelchair users could open the sliding door 750mm which allowed them to go through the door without bending their trunk forward. Results showed that the range of the wheelchair positions allowed the subjects to open the width were expanded by the door handles with wide operation range. It also showed that the situation
more » ... at the situation which the wheelchair was facing 45 degrees to the sliding door was more effective than other directions. We examined the effect of sliding door handles that expand operation range in terms of door-opening behavior of wheelchair users. An experiment was conducted to verify if the wheelchair users could open the sliding door 750mm which allowed them to go through the door without bending their trunk forward. Results showed that the range of the wheelchair positions allowed the subjects to open the width were expanded by the door handles with wide operation range. It also showed that the situation which the wheelchair was facing 45 degrees to the sliding door was more effective than other directions. 1.はじめに 車いす利用者にとって開閉や通過がしやすい扉の形態は、一般的 に開き戸よりも引戸であることが従前より指摘されている。 しかし、 どのような引戸をどのように操作すると開閉や通過がしやすいのか について、把手の形状や車いすの停止位置などの観点から明らかに した研究はほとんど見られない。筆者らは以前の研究 1) で、戸先に 縦型バーハンドルがついた引戸を車いす利用者に開閉させる実験を 行い、引戸を通過に必要な幅を開けるためには、手が届きにくい位 置にある把手を掴むために体幹を前傾させたり、腕を体幹より後方 に動かす動作が求められる状況が多いことを明らかにした。 つまり、 車いす利用者にとって、縦型バーハンドルに代わる、より手が届き やすい形状の把手が必要とされていることを指摘した。 本研究は、車いす利用者が安全、安心に開閉、通過できる引戸の 開発を行うことを目指し、把手形状による手の届きやすさの違いが 車いす利用者の引戸を開く動作に与える影響を定量的に把握するこ とを目的とする。 2.評価基準の設定 一言で車いす利用者と言っても、障害の程度や身体機能により動 作可能な範囲は個人で大きく異なる。しかしながら、引戸の開発に あたっては車いす利用者の視点からその性能を評価するため、一定 の基準となる身体の動きを想定する必要がある。そこで、その評価 基準を導き出すために、実際に車いすで生活している方を対象とし た行動観察実験を行い、引戸開閉時の動作や身体の使い方、課題、 心理評価等を把握することとした。 実験空間に縦型バーハンドルがついた引戸を用意し、在宅で自立 して生活する障害の程度が異なる車いす利用者 2 名を被験者として 引戸の開閉を行わせた。2 名は脊髄損傷による身体障害者で、残存 レベル T12 の 30 代男性 (受傷後経過年数 5 年) と C6 の 40 代男性 (同 25 年)である。行動観察は引戸の開閉について、特に手順等を指定 しない自由な操作と、実験者が指定した車いすの停止位置から開閉 操作をさせる 2 種類の条件で実施した。あわせて、開閉・通過に関 して不安や負担を感じること等をヒアリングで聞き取った。 表 1 に被験者の観察された行動と、それに基づく引戸を開ける際 に想定される課題を示す。車いすの位置決めから通過に至るまで、 様々な課題があることが読み取れるが、特に引戸を開ける動作の起 点となる「③引戸の把手を持つ」では、把手が遠い位置にある時に 体幹を前傾させて手を伸ばして把手を掴む動作が見られた。この前 傾動作の際に被験者は、大腿部に手をつく(表 1 右上写真) 、車いす のグリップに腕をかける(表 1 右下写真)などといった、車いすか らの転落を予防する策を各自で講じていることが観察された。ヒア リングにおいては両被験者から、前傾してバランスを崩すと車いす から前に転落してしまうため、 そうならない対策をしていることと、 それ故に「前傾しない姿勢で把手に届くことが望ましい」という意 見が聞かれた。また、体の後方に腕を伸ばして引戸を開ける動作に ついては、 「後方に転倒する可能性があるので恐怖心がある」 「腕を 後方に大きく動かす動作は体を傷める心配があり避けたい」との意 見が聞かれた。車いすから転落した際には大きな怪我につながるだ けでなく、自力で車いすに戻ることができない場合もあり、非常に 危険な状況となることも両被験者から指摘された 注 1) 。 以上の結果から、体幹を動かすことが可能な車いす利用者であっ ても、体幹を前傾や後傾させることは車いすからの転落につながる 大きなリスクがあり、不安感も大きいと考え、引戸開閉の評価基準 としては「車いす利用者が体幹を動かすことなく把手に手が届き、 かつ、車いすを一地点に停止した状態で、通過に必要な幅引戸を開 けられること」を設定することとした。また、引戸の開き幅につい ては、車いすに乗って自立している方を想定し、そのような方が一 般的に乗車しているアクティブタイプの車いす (幅 550-600mm 程度) が、 支障なく通過できる開き幅として 750mm を設定することとした。 *1 YKK AP 株式会社/東京工業大学大学院博士後期課程・修士(工学) (〒938-8612 富山県黒部市荻生 1) * 1 YKK AP Inc./Graduate Student, Tokyo Institute of Technology, M.Eng. *2 YKK AP 株式会社 開発本部 価値検証センター ユーザー検証G長 * 2 Manager, Value Verification Center, YKK AP Inc.
doi:10.3130/aijt.24.769 fatcat:k3voln3mrzdj3e7jalug4mra6i