わが国における40歳時無子の傾向と要因に関する考察 : 家族形成行動の観点から
Patterns and Covariates of Childless at the Age of Forty in Japan

Keita SUGA
2008 Jinkogaku kenkyu  
Shimizutani 2007) ,無子に関する分析は極めて限られている。例外として,福田 (2005) は,M over-stayer M ixture M odelを用い,教育水準の出生行動への影響を,無子割合と結婚後 の各経過時点における第1子出生ハザードに分解し,大卒以上の女性の出生タイミングは遅いが,無子 割合が高くなるわけではないことを明らかにした。 しかしながら, この分析は初婚を継続している20-55 歳の女性を対象としており,子どもを持たないとみなすには早すぎる年齢層が多く含まれている。また, 一般に学歴が低いほど離婚率が高いため(Raymo et al. 2004) ,低学歴を多く除外することによって標 本に残る低学歴の無子割合が高くなる可能性もあり,無子の分析としては制約が多い。わが国における 無子の傾向と影響を及ぼす要因の研究が十分になされているとは言いがたい。 Becker (1965)-Willis (1973)の古典的な家庭内生産理論では,夫婦はあたかも目的を共有しているか のように行動し,子どもは最も重要な共有財(collective
more » ... れる(Weiss-Willis 1985) 。子ど 57 人 口 学 研 究(第4 2 号)2 0 0 8 . 5
doi:10.24454/jps.42.0_57 fatcat:4iec5wf4ljhjphzblxcnkslmle