Syndecan Heparan Sulfate Proteoglycans: Regulation, Signaling and Impact on Tumor Biology
シンデカンヘパラン硫酸プロテオグリカン:制御、シグナリング、癌生物学への影響

Angélica Maciel Gomes, Dovile Sinkeviciute, Hinke A. B. Multhaupt, Atsuko Yoneda, John R. Couchman
2016 Trends in glycoscience and glycotechnology  
受付日:2015 年 5 月 8 日,受理日:2015 年 7 月 4 日) キーワード:細胞内情報伝達,ヘパラナーゼ,ヘパラン硫酸,プロテオグリカン,スルファターゼ,シンデカン 要 約 ほぼすべての動物細胞はヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSPG)を細胞表面に発現し、細胞外マトリックスへ 分泌している。シンデカンは、細胞外微小環境から細胞へのシグナル伝達を仲介する受容体として機能する膜貫通 型プロテオグリカンの主要なグループである。シンデカンのヘパラン硫酸鎖は、その大きな構造多様性により、接 着、移動、増殖そして生存に強く影響する制御因子を含む広範囲のリガンドと相互作用する。しばしば、リガンド は高親和性受容体と協調して、細胞表面のヘパラン硫酸と相互作用する。それゆえ、その結果生じるシグナルは複 雑になる可能性があるが、シンデカンは独立したシグナルを発することができると現在知られている。本総説は、2 章に分かれており、まず、同化過程であるヘパラン硫酸の構築が、いかにリガンド結合とシグナルに関連する情報
more » ... 部分的異化過程において、細胞の挙動に影響する HSPG の新規の役 割がいかにして生じるかを論ずる。HSPG の組成および分布が癌において変化しているであろうことと、新規治療 薬の開発のための標的となりうる可能性があることから、腫瘍研究での例が強調されている。 A. はじめに-シンデカンの構造 ヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSPG)は高度に糖鎖 修飾されたタンパク質で、ヘパラン硫酸(HS)グリコサミ ノグリカン鎖(GAG)が共有結合により、そのコアプロテ インに結合している。細胞表面 HSPG の糖鎖の数は 1 から 3-4 本とさまざまである。シンデカンを含む多数の糖鎖をも つ HSPG は、糖鎖が常に修飾されている"フルタイム型"と して認識される一方、1 本の糖鎖をもついくつかの HSPG は、 コアプロテインがあるときには HS 修飾を欠いている"パー トタイム型"として存在しうる (1-5) 。しかし、HSPG は、 分子群として、発生および恒常過程のみならず、多くの病理 学的状態、特に癌において、その関連が示唆されている。 細胞外マトリックスと細胞表面分子がいかに細胞の挙動 と癌の進行を調和させるかはいまだ研究過程にある。同化と 異化反応の間の微妙なバランスは組織の恒常性、構造、そし て機能に極めて重要である。たとえば、マトリックスメタロ プロテイナーゼ(MMP)は多くの細胞外マトリックスタン パク質を切断し、シンデカンを細胞膜からシェディングし、 シグナリングに影響を与える (6) 。さらに、いくつかの癌の タイプにおいては HSPG の発現は健常組織とは異なっている (7-11) 。このようなシナリオにおいて、HSPG を修飾、切断、 シェディング、分解する酵素は異化反応において重要な因子 である一方、グリコサミノグリカン生合成酵素は同化反応を 制御する。それゆえ、本総説では HSPG、特にシンデカンお よび HSPG 修飾酵素によって調節されるシグナル経路につい て記したい。両方の話題において、細胞のシグナルが異常を 示し、かつ HSPG が重要な制御因子であると認識されている 癌の進行に重点をおく (12) 。 膜結合型 HSPG はほぼすべての真核生物の組織の細胞 形質膜に見いだされ、細胞のシグナルや挙動を制御する共 受容体として、あるいはエンドサイトーシスや接着の受容 体として作用できる。これら HSPG はシンデカン、グリピ カン、ベータグリカン、ニューロピリン-1、CD44 のアイソ フォームの一つである CD44v3 を含む (4) 。わずか 2 種類の フルタイム型膜 HSPG ファミリーはグリピカンとシンデカン である。グリピカンは、ほ乳類では 6 メンバーからなり、グ リコシルフォスファチジルイノシトール(GPI)アンカーを 介して細胞膜に留められており、2-3 本の HS 鎖を保持する。 シンデカンは 1 型膜貫通型 HSPG で、そのコアプロテインは 20-40 kDa の分子量をもち、3-5 本の GAG 鎖をもつ。ほ乳類 でのシンデカンは、遺伝的に異なる 4 つのコアプロテインよ りなり、それらは組織特異的に発現する。シンデカン-1 は主 に上皮と一部の白血球に発現し、シンデカン-2 は大部分が間 葉系細胞に、シンデカン-3 は神経系、内皮および筋組織に、 シンデカン-4 はほぼいたるところに発現する (1, 13, 14) 。シ ンデカンの mRNA は N-末端シグナルペプチドと HS あるいは コンドロイチン硫酸(CS)付加部位からなるファミリー間 で多様な細胞外ドメイン (15) 、高度に保存された 1 回膜貫通
doi:10.4052/tigg.1422.1j fatcat:dkn4wwtcjrcrxc6c3tbmd7zxu4