Diagnosis and diagnostic criteria of autoimmune pancreatitis
自己免疫性膵炎の診断について 診断基準の変遷と診断の現状

Kazushige UCHIDA, Kazuichi OKAZAKI
2015 Japanese Journal of Clinical Immunology  
は じ め に 自己免疫性膵炎(AIP)という疾患概念は,1995 年に吉田らによって日本から提唱された日本発の疾 患概念である 1) .さらに浜野らが 2001 年に本疾患 において血清 IgG4 値が診断に有用であることを発 表した 2) .しかし当初海外では自己免疫性膵炎は懐 疑的に捉えられていた.多くの論文が日本から発表 され今や世界的に認知される疾患となり,膵臓だけ でなく現在の IgG4 関連疾患に発展していった.日 本では一言で自己免疫性膵炎というと未だに IgG4 の関与する自己免疫性膵炎をイメージするが,その 後の研究により日本と欧米では臨床病理学的に異 なったものが含まれていることが判明した.我が国 によくみられる AIP は高齢男性に多く,高 IgG4 血 症,硬化性胆管炎・涙腺唾液腺炎・後腹膜線維症, 腹腔・肺門リンパ腺腫大,慢性甲状腺炎,腎病変・ 肺病変など様々な膵外病変を伴い,組織学的には著 名なリンパ球・形質細胞浸潤,IgG4 陽性形質細胞 浸潤,花筵状線維化(storiform fibrosis) ,閉塞性静 脈炎を特徴とする組織学的には
more » ... を特徴とする組織学的には lymphoplasmacytic sclerosing pancreatitis(LPSP)であり,IgG4 関連疾 患の膵病変と現在は捉えられている 3−5) .一方欧米 で報告されていた自己免疫性膵炎の中には,性差が なく,若年者で,しばしば潰瘍性大腸炎を合併し, 組織学的には好中球上皮病変(granulocytic epithelial lesion: GEL)を伴う idiopathic duct-centric chronic pancreatitis(IDCP)という IgG4 の関与しない好中球主 体の深く関与するものが多く含まれていることがわ かった 3, 4, 6, 7) .また診断方法についても,日本では 膵管狭細型膵炎という歴史的背景から内視鏡的逆向 性膵胆管造影(ERCP)による膵管像を重視するが, 欧米では診断に ERCP を用いられることがほとんど ないために膵管像にはこだわらないという大きな違 いがあった.このように日本と欧米において一言で 自己免疫性膵炎と言っても,診断方法も対象とする 疾患も異なっているということが明らかになってき た.そのような中で様々な診断基準が作成されてき た.今回は自己免疫性膵炎の診断基準の変遷との診 断に関する現状について紹介する. 総 説 自己免疫性膵炎の診断について 診断基準の変遷と診断の現状 内 田 一 茂,岡 崎 和 一 summary In 1995 Yoshida et al proposed "autoimmune pancreatitis". Recent studies suggested the existence of two subtypes of autoimmune pancreatitis (AIP): type 1 related with IgG4 as the pancreatic manifestation of IgG4-related disease (IgG4-RD), and type 2 related with a granulocytic epithelial lesion. There were several diagnostic criteria. This review provides a overview of autoimmune pancreatitis from diagnostic criteria and diagnostic strategie. Key words autoimmune pancreatitis; IgG4; lymphoplasmacytic sclerosing pancreatitis (LPSP); idiopathic duct-centric chronic pancreatitis (IDCP); granulocytic epithelial lesion (GEL) 抄 録 自己免疫性膵炎(AIP)という疾患概念は,1995 年に吉田らによって日本から提唱された疾患概念であるが現在 まで様々な診断基準が作成されてきた.本稿では自己免疫性膵炎の現状について診断を中心に概説する. 関西医科大学内科学第三講座(消化器肝臓内科)
doi:10.2177/jsci.38.127 pmid:26213190 fatcat:5ggsyxpeefbrjoc4ntancxxa3e