Elastic Wave Velocity Measurement under Extreme Pressures Using Brillouin Scattering Spectroscopy
ブリュアン散乱分光法を用いた超高圧力条件下の弾性波速度測定

Motohiko MURAKAMI
2015 The Review of High Pressure Science and Technology  
The recent decade has seen dramatic progress in determining the sound wave velocities under extremely high pressures. This advancement enables us to successfully determine the shear wave velocities of constituent mineral phases in the Earth's mantle and the glass materials in situ under high pressures. Here, the recent advances in high pressure elastic wave velocity measurements using Brillouin scattering spectroscopy were reviewed. The continued development of the high-pressure Brillouin
more » ... ring spectroscopy promises major advances in exploring the mineralogical model of the Earth's interior, and the high-pressure material science. [DAC, sound velocity, elasticity, Brillouin scattering spectroscopy] . はじめに 物質中を伝播する弾性波速度の圧力依存性を決定 することは,高圧力条件下での物質の弾性的性質を 理解する上で非常に重要である。また,地球深部に おける地震波観測データの比較を通じて地球内部の 鉱物学的なモデルに直接的な制約を与えるという意 味で,高温高圧力条件下での地球深部物質の弾性波 速度測定は,地球深部科学における最も重要な研究 課題のひとつであり,近年の測定技術の進歩により, 様々な手法によって研究が行われている。 高圧力条件下での弾性波速度測定技術は,主とし て,マルチアンビル高圧発生装置及びダイヤモンド アンビルセル高圧発生装置(以下,DAC と略す) 等の高圧力発生装置と組み合わせて適用されている。 DAC を用いる最も大きな利点は,言うまでもなく その発生圧力範囲の大きさにある。DAC は静的圧 縮法としては,現在最も高圧力を発生可能な装置と してこれまでに約 3~4 Mbar の超高圧力の発生に 成功している。また,アンビルとして使用するダイ ヤモンドの有する広波長帯域における優れた光透過 性のため,DAC は様々な光学的測定手法(散乱, 吸収,回折など)と組み合わせることが容易である ことも 大き な利点 のひと つであ ろう。 一方で , DAC を用いた実験で得られる試料の大きさは,そ の超高圧力条件の発生と引き換えに,一般にマルチ アンビル高圧発生装置で得られるような試料と比較 して極めて小さく,しばしば DAC を用いた実験上 の難点として指摘される。しかしながら,上記した 光学的 測定 手法で 用いる 様々な プロー ブ光は , DAC 中に封入された試料に対して極微小のスポッ トサイズで集光することができるため,極限的超高 圧力条件下(例えば~4 Mbar)での測定を除けば, DAC の試料サイズの小ささが測定上の深刻な問題 として顕在化することは稀である。 我々は,以上のような DAC が有する「超高圧力 発生」と「優れた光透過性」という利点を最大限に 生かして,DAC 及びブリュアン散乱法を組み合わ せた超高圧力条件下における弾性波速度測定に関す る研究を行ってきた[1 7]。一方で,ブリュアン散
doi:10.4131/jshpreview.25.20 fatcat:okmnyuiysvbrni4gvfey2rbm3e