Preoperative Evaluation and Management of Accessory Hepatic Ducts for Cholecystectomy

Saori Yabe, Takahito Nakagawa, Kazuyoshi Okumura, Tatsushi Shimokuni, Makoto Nishikawa, Masahiro Takahashi
2020 The Japanese Journal of Gastroenterological Surgery  
1) 地域医療機能推進機構札幌北辰病院外科 目的:副肝管は術前診断に至らないことも多く,胆囊摘出術の際に胆道損傷の頻度が高いとされる.当 院の胆囊摘出例を検討した.方法:2008~2018 年に当科で施行した胆囊摘出例 482 例を対象とし,副肝管 を認めた 36 例(7.5%)について術前胆道評価,術式,胆道損傷の有無を正常解剖例と比較検討した.結 果:副肝管の形態は久次らの副肝管分類で I 型が 2 例,II 型が 6 例,III 型が 26 例,IV 型が 0 例,V 型 2 例で,副肝管の支配領域は後区域が 80%を占めた.術前胆道評価での副肝管の診断率は,magnetic resonance cholangiograph(MRC)で 89.3%(28 例中 25 例) ,CT 胆道造影検査(drip infusion cholangiographic-CT;以 下,DIC-CT と略記)で 100%(15 例中 15 例)であった.手術は 7 例(19.4%)に開腹胆囊摘出術を,29 例(80.6%)で腹腔鏡下手術を選択したが,3
more » ... 10.3%)は開腹術へ移行となり,正常解剖例と比較して 開腹手術の選択率は高い傾向にあったが,開腹移行の頻度に差はなかった.副肝管症例では術中胆道損傷 の発症を認めず,術後経過で副肝管の閉塞や遺残結石は生じなかった.結語:副肝管症例の手術では,術 前胆道走行評価の徹底および術中胆道造影の施行や手術手技の工夫により,鏡視下手術であっても安全に 施行可能であると考える. キーワード:副肝管,異所肝管,胆道走行異常,胆囊摘出術 はじめに 副肝管は古くから報告のある肝外胆管走行異常の 1 形態である 1 ) .異所肝管という呼称もあり混同して 用いられることも多く,その定義は不明瞭であるが,臨床的には区域以下の支配胆管で肝外を走行し,肝 外胆管,胆囊や胆囊管に直接流入する胆道走行の破格とされる 2 ) 3 ) .頻度は 0.8~31%と少なくないが 4 ) 5 ) , 他の胆道走行異常と同様に,正常解剖例と比較して手術,特に胆囊摘出術の際に胆道損傷を来しやすいと の報告もある 6 ) .今回,当科で施行した胆囊摘出例 482 例を対象に,副肝管を有する症例の術前胆道走行 評価,手術治療および胆道損傷発症の有無,長期予後について正常解剖例と比較し,考察を加え報告する. 方 法 2008 年 4 月から 2018 年 3 月まで,当科で施行した胆囊摘出術 495 例のうち術前胆道評価として endoscopic retrograde cholangiograph(以下,ERC と略記) ,magnetic resonance cholangiograph(以下,MRC と略記) ,CT 胆道造影検査(drip infusion cholangiographic-CT;以下,DIC-CT と略記)のいずれかが行わ れている 482 例を対象とした.術前の胆道走行評価は MRC を原則とし,術前に胆道ドレナージや総胆管 結石治療のため ERC を施行した症例は,ERC も参考にした.緊急手術症例や MRC が施行できない症例, 〈2019 年 12 月 18 日受理〉別刷請求先:矢部 沙織 〒 004-8618 札幌市厚別区厚別中央 2 条 6 丁目 2-1 地域医療機能推進機構札幌北 辰病院外科 日本消化器外科学会雑誌.2020;53(5):399-408
doi:10.5833/jjgs.2019.0040 fatcat:35nfwrf6lzej5nnvodiutwfz4e