DESIGN METHOD AND PERFORMANCE VERIFICATION OF FRESH AIR COOLING BY USING TWIN VOIDS IN LARGE SCALE BUILDING

Kitarou MIZUIDE, Toshio YAMANAKA, Hisashi KOTANI, Hisaya ISHINO, Kazuhiro OTAKA, Kazuyuki OOHARA
2008 Journal of Environmental Engineering (Transactions of AIJ)  
な建築での採用事例が多いセンターコア方式の建物では、基準階 の中央部に空調機械室を設け、屋上や低層階で取り入れた外気を ダクトにより各階に分配する方法が比較的多くとられてきた。こ の場合、外気処理空調機の搬送動力抑制や各階平面スペース効率 確保の観点から取入れ外気量を必要最小限とする最小外気量方式 が主体となり、中間期に空調機の全風量により外気を取入れる全 外気冷房を行う事例は少ないといえる。 本研究では、筆者らの設計による大規模事務所建築において、 センターコア内に設けた上部を開放した 2 つの屋外ボイドを、外 気取入れと空調排気のスペースに活用した全外気による外気冷房 を計画するにあたり、計画段階で敷地の卓越風向に配慮した合理 的な換気ボイド配置についてシミュレーション検証により明らか にした。また運用段階では給排気実施時における各ボイド間の相 互移流の有無について、トレーサーガスを用いた実測調査により 確認するとともに、全外気冷房による冷房負荷削減効果について 明らかにした。 2.建物概要およびボイド配置計画 2.1 2つの屋外ボイドを活用した外気冷房
more » ... した外気冷房 無柱で連続した、フレキシビリティの高い執務空間を実現しな 1.はじめに 我が国のエネルギー消費動向は全体として漸増を続けており、な かでも全エネルギー消費量の 3 割を占める民生部門において増加傾 向が顕著である 1) 。このような現状において、先進国に温室効果ガ スの排出削減義務を課した京都議定書の第 1 約束期間(2008 年~ 2012 年)を迎えるにあたり、建築分野におけるよりいっそうの省エ ネルギーの推進が求められている。 これまでにも、内部発熱の比較的大きい事務所建築を中心に、中 間期の外気を利用する外気冷房に関する研究が行われ、多くの採用 事例の報告、ならびに省エネルギー効果について言及がなされてき た。 2) 、3) 、4) 、5) 近年、室内の発熱密度の更なる増大、および建物 の断熱気密性の向上を背景として、室内空気に比してエンタルピー が低い外気の冷却能力を活用した自然エネルギー利用手法である外 気冷房の有効性は、以前に増して高まりつつあるといえる。 ここで、事務所建築の平面計画において、長方形平面の両端にコ アを設けるダブルコア方式や、片側にコアを配したサイドコア方式 のように外壁に面して空調機械室を配置できる場合には空調換気用 の外気取入れ口や排気口の面積を確保しやすく、省エネルギー手法 としての外気冷房を比較的採用しやすい状況にあるといえる。 一方でスペース効率が高く、大規模事務所等の基準階面積の大き Two multi-functional voids were planned to enable total outside air cooling in the building where there is considerable internal heat generation and the cooling period is long by utilizing two multi-functional voids. The voids were designed as ventilation towers for supply air and exhaust air, and planned to install a barrier between the openings of both voids on the rooftop. Two voids were located under consideration of the regular wind direction and the effect of separation flow on the rooftop to avoid short-circuit between supply air and exhaust air. From the result of the air flow analysis using CFD and field measurement, it can be confirmed that exhaust air containing pollutant or tracer-gas from the exhaust air void do not move to the supply air void. Keywords:Performance Evaluation,Measurement Survey,Fresh Air Cooling,Twin Voids,Cooling Load Reduction Effect 性能検証、実測調査、外気冷房、ボイド、冷房負荷削減効果 Kitarou MIZUIDE, Toshio YAMANAKA, Hisashi KOTANI, Hisaya ISHINO, Kazuhiro OTAKA and Kazuyuki OOHARA 73 628 775-782 2008 表 1 建築概要 がら高い平面有効比を確保するセンターコア方式は、空調機への外 気取り入れの面では、外気シャフトのスペースに制約があり、全外 気による外気冷房は困難なケースが多い。一方で、近年の気密性が 高く、内部発熱も大きな事務所建築では、冷却能力の高い中間期の 外気による外気冷房は実質的な効果の得られる省エネルギー手法で あるといえる。そこで本建物では基準階中央に「多機能ボイド」と 呼ぶ2つの外部吹き抜け空間を設け、配管・ダクトスペース、屋上 設備機器搬出入ルート、空調用給排気塔、テナント補強空調・換気 ダクトスペース、と多用途に活用することとし、省エネルギー面で は、全外気による外気冷房を可能にする計画とした。なお本建物で は、外気エンタルピーが外気冷房判断基準を下回り、かつ室内設定 条件より低い場合に、外気冷房運転を実施する制御方式としている。 以下、外気取り入れボイドを「OAボイド」 、排気ボイドを「EAボ イド」と表記する。建築概要について表 1 に示し、建物全体におけ るOAボイド、EAボイドの位置関係について図 1 の断面図に示す。 各ボイドを利用した、空調機への給排気の概念を図 2 に示す。O Aボイド、EAボイドはそれぞれボイドの側面に給気口、排気口が 設置され、両ボイドはその中間に配置された廊下により空間的に隔 てられている。また、ボイド周囲に面して空調機械室を配置してお り、OAボイドに面した空調機については、OAボイドから直接外 気を取入れ、排気は 2 層分をまとめて躯体利用チャンバーを介して EAボイドへ排気する計画としている。一方でEAボイドに面した 空調機については、OAボイドとは逆に、EAボイドに直接排気を 行い、外気取入れは 2 層分をまとめてOAボイドから取入れている。 2.2 卓越風向に配慮したボイド配置計画 本建物では上部を開放した2本の多機能ボイドを設け、北側のボ イド(EAボイド)は空調機からの排気に、南側のボイド(OAボ イド)は空調機への給気に活用している。2 本のボイドは屋上で外 気に開放されており、EAボイドから排出された空気のOAボイド への移流および拡散の発生を避けるため、計画地の卓越風向に配慮 したボイド配置の検討を行った。大阪管区気象台データより 2002 年度の各季節の平均風向発生頻度特性を図 3 の風配図により示す。 3 ~5 月、9~10 月の中間期には北寄りの風が卓越し(風向:北北東、平 均風速:2.6m/s) 、夏期(6~8 月)および冬期(11~12 月)には北寄り の風と同様の頻度で西寄りの風が多くなっている(西南西の風、平 均風速:3.9m/s) 注1) 。また平面計画上、南北に長い長方形プランと なるため、センターコア部の平面計画では図 4、図 5 に示すとおり 南北方向にボイドを並べる計画とした。 南北方向についての卓越風である北風時に屋上面の剥離流下部に 生じる剥離域の影響で、排気がOAボイドに引き込まれない、図 6 のような配置が適切と考え、北側にEAボイドを配置する計画とし た。また東西方向については屋上塔屋の配置によってはEAボイド 上部に循環流が発生することで、上昇する排気の拡散が促進され、 隣接したOAボイドに排気が流入する可能性が懸念された。そこで 東西方向の卓越風である西風時に循環流が起こりにくい配置として ボイドの東側に塔屋を配置する計画とした。この場合図 7 のように 東風の際にはEAボイド上部に循環流が形成されやすい状況とな る。ここで東風の発生頻度としては、図 3 に示すとおり年間で 1.9%
doi:10.3130/aije.73.775 fatcat:b47zqdbl6va33phissfiy6df34