Withdrawal symptoms from prolonged use of dexmedetomidine
デクスメデトミジン長期投与による離脱徴候

Yuki Enomoto, Takashi Muguruma
2015 Journal of the Japanese Society of Intensive Care Medicine  
要約:デクスメデトミジン (dexmedetomidine, DEX) は離脱徴候を引き起こさないと言われ ていたが,長期投与例が増加するに伴い,離脱徴候に関する報告が散見されている。しかし, 少数例のものにとどまり,その実態は明らかではない。DEX による離脱徴候が見られた 5 例 について報告する。5 症例の月齢の中央値は 22 (最小 4,最大 39) ,DEX 投与期間の中央値は 61 時間 (最小 54,最大 187) ,最大投与流量の中央値は 0.9μg/kg/hr (最小 0.6,最大 0.9) だった。 DEX を漸減してから中止した症例はいなかった。離脱徴候としては頻脈,頻呼吸,高血圧, 発熱,興奮,不機嫌,睡眠障害,振戦,易刺激性などの症状が見られた。DEX を長期間投与 した小児では離脱徴候の出現に留意する必要がある。 Key words: ① dexmedetomidine, ② withdrawal symptoms, ③ child 症例報告 これまでの報告では頻脈,高血圧,発熱,瞳孔散大, 発汗といった自律神経症状と興奮,好戦的,筋緊張亢
more » ... 興奮,好戦的,筋緊張亢 進,傾眠などの中枢神経症状,嘔吐や下痢といった消 化器症状が離脱徴候として報告されているが 6) -9) , 我々の症例でも同様の症状が見られた。 DEX 中止による反跳現象や離脱徴候の発症頻度と して,Burbano ら 10) は DEX を 3 日間以上投与した小 児では DEX を漸減して中止しても 14%,突然中止す れば 42%の症例で頻脈を呈したと報告している。た だ頻脈や高血圧が不穏など他の症状と同時に起こった 症例はほとんどいなかった。Carney ら 11) は DEX を 24 時間以上投与した小児において,反跳現象または離 脱徴候が全体の 83%の症例で 1 つ以上,50%の症例で 2 つ以上見られたと報告している。また,発症リスク に関しては投与時間,漸減せずに中止した場合や,乳 児以上の小児例をあげている報告 10) はあるが,まだ明 らかではない。 ベンゾジアゼピンやオピオイドの離脱症候群に対し て は,小 児 で も withdrawal assessment tool-1 (WAT-1) などのスコアリングが報告されている 15) 。 WAT-1 に含まれる消化器症状,自律神経症状,神経症 状は DEX の離脱徴候でも報告されている。WAT-1 に 記載がある項目のうち,本症例で診療録に記載のない ものに関しては症状の有無は確認できなかった。 本研究は後方視的な検討のため,離脱徴候のスコア リングを行っていない。今後,DEX の離脱徴候につ いてより明らかにするために,多施設での前方視的な 検討が必要である。 結 語 DEX を長期間投与した小児例では,離脱徴候の出 現に留意する必要がある。 謝 辞 英文校閲をしていただきました国立成育医療研究セン ター臨床研究教育部 Dr. Julian Tang に感謝の意を表します。 日本集中治療医学会の定める利益相反に関する開示事項 はない。 文 献 Abstract Withdrawal symptoms from prolonged use of dexmedetomidine While previous reports have shown that dexmedetomidine (DEX) does not cause withdrawal symptoms, reports on withdrawal cases are on the rise with the increasing use of prolonged DEX administration. As most of the studies on DEX were limited to small sample sizes, many aspects regarding this condition remain unknown. Here, we report five pediatric cases of DEX withdrawal symptoms. Median age was 22 months (range 4-39), median length of DEX administration was 61 hours (range 54-187), and median maximum infusion rate was 0.9μg/kg/hr (range 0.6-0.9). Withdrawal symptoms observed include tachycardia, tachypnea, hypertension, pyrexia, agitation, discomfort, sleep disturbance, tremor, and irritability. In view of these outcomes, we recommend careful consideration before prolonged DEX is administered.
doi:10.3918/jsicm.22.132 fatcat:4te7mats4zbg3eswhtxapl3cue