Novel Treatment for Hemophilia A by Factor VIII Mimetic Bispecific Antibody

Midori Shima
2017 Nihon Naika Gakkai Zasshi  
はじめに 近年,我が国においても,小児のみならず, 成人においても定期補充療法が血友病治療の主 体になりつつある.さらに最近,半減期延長型 製剤が開発され,製剤の投与間隔を延長するこ とが可能になり,血友病患者のQOL(quality of life)はますます高まってきている 1) .しかしな がら,頻回の投与に伴う身体的・精神的負担, 経静脈投与のための血管アクセス, インヒビ ターの発生リスクや治療等未解決の課題が残っ ている.最近,これらの課題を克服するために, 第VIII因子機能を代替する作用を有する(活性 型)第IX因子と第X因子を認識する完全ヒト型 遺伝子組換えバイスペシフィック抗体が我が国 で開発された.本製剤はインヒビターの有無に かかわらず,長時間作用する特性を有するため に,血友病治療のパラダイムシフトをもたらす ポテンシャルを有する. 1.現代の血友病治療の課題 定期補充療法の普及や半減期延長製剤の開発 に伴い,血友病患者の出血回数は激減すると共 に,身体的・社会的活動性も高まっている.し かしながら,未だに解決されていない問題もあ
more » ... トラフレベルを 維持するために頻回の経静脈投与が必要なこと である.特に,血管アクセスが困難な幼少児の 投与は患者や両親に多大な身体的・精神的苦痛 第VIII因子機能代替バイスペシフィック 抗体を用いた新規血友病Aの治療 嶋 緑倫 要 旨 頻回の経静脈的投与による身体的精神的負担,活動性の高い患者におけるトラフレベルの設定,インヒビター の発生リスクやインヒビター陽性例の治療などは血友病治療における大きな課題である.最近,これらを解決す るために,活性型第VIII因子機能を代替する抗FIXa/FX認識ヒト型遺伝子組み換えバイスペシフィック抗体(emi-cizumab;ACE910)がわが国で創製された.本製剤は抗体製剤であり皮下投与が可能である.さらに,血中半 減期は約 4~5 週で,従来の第VIII因子製剤の半減期(約 10 時間)と比較するとはるかに長い.さらに,FVIIIa作 用はvon Willebrand因子により保護される必要もなく,インヒビターの有無に関わらず有効である.すでに血友
doi:10.2169/naika.106.2446 fatcat:adj672vrkrcl3bt6g5zavtvgei