The present state of coastal vegetation and microtopography at Ariakehama coast in the Seto Central Inland Sea using small unmanned aerial vehicle

Jun EBISUTANI, Kohei OKA
2016 Journal of the Japanese Society of Revegetation Technology  
1) 広島工業大学大学院工学系研究科(現:国土防災技術株式会社) 2) 広島工業大学環境学部地球環境学科 摘要:香川県有明浜において,海浜植物のモニタリングの基礎デ ータの取得を目的として,小型 UAV による空中写真と SfM 技 術を用い,有明浜全域の植生と微地形を調査した。有明浜では海 浜植物群落が全体の 51 %の面積を占め, 海浜幅が広い場所では, 汀線側から陸側に向かって, コウボウムギ→ハマゴウ→カワラヨ モギと群落が変化した。希少種は 8 種確認され,このうちハマウ ツボやビロードテンツキなどの 5 種は生育面積が 100 m 2 を下回 り,絶滅の危険性が極めて高いことがわかった。 キーワード:海浜植物,希少種,SfM,植生図 1. はじめに 海浜植物は,砂浜や砂丘(以下,両者をまとめて海浜と呼 ぶ)を主な生育地とする植物で,日本には 79 種類が生育し ている 8) 。瀬戸内海は,大規模な海浜が元々少ない上に,埋 め立てや海岸浸食により,1978 年から 1996 年の間に海浜が 45.2 km 減少しており 4) ,海浜植物の多くが危機的状況に置 かれている
more » ... 7) 。 香川県有明浜は,瀬戸内海沿岸部の中でも,海浜の規模が 大きく,希少種も含めて海浜植物の種数が突出して多いこと がわかっている 1) 。そのため,瀬戸内海の海浜植物を保全す るためには,有明浜を優先的に保全することが有効である。 しかしながら,有明浜の海浜植物の分布や微地形の特徴など の研究事例はなく,海浜植物の現状把握およびモニタリング が急務の課題となっている。 近年,小型 UAV(Unmanned Aerial Vehicle)は,高解像 度の画像を簡便に取得できるため,現地の植生を把握する手 法として普及しつつある 3) 。また,小型 UAV で撮影した画 像をもとに,SfM(Structure from Motion)技術を用いるこ とで,高精度の測量データを得ることができる 5) 。そのため, 海浜のように植生や微地形の変動が激しい場所 6) をモニタリ ングするには,小型 UAV を活用した手法は有効と考える。 そこで,本研究では,香川県有明浜の海浜植物のモニタリ ングの基礎データを取得するために,小型 UAV を活用した 有明浜の海浜植生と微地形の把握を目的とした。 2. 方法 2.1 対象地 有明浜は,香川県観音寺市に位置する海岸長約 2 km の海 浜で,瀬戸内海に面している(図-1)。有明浜の海浜植物群 落は,1969 年に観音寺市の天然記念物に指定され,地域団体 による清掃などの保護活動が行われている。 有明浜の海浜幅は,南側から北側に向かうほど狭くなり, 最も広い地点では約 120 m に及ぶ。 1948~1976 年にかけて, 海浜の北側の約 1.1 km の区間に高さ 4 m の堤防と,沖合に 潜堤が設置された。 また, 2008 年に海岸浸食対策工事として, 南側の約 0.8 km の区間を養浜し,潜堤も追加された。 最寄りの四国中央観測所の平年値(1981~2010 年)によ ると,年平均気温は 16.2 ℃,年平均降水量は 1322.5 mm で ある。2015 年の平均風速は 1.6 m/s,最多風向は東である。 2.2 調査方法 2.2.1 小型 UAV による空中写真の取得 小型 UAV(DJI 社製:Phantom3)を用いて,対象地の空 中写真を 2 時期に分けて撮影した。 まず植生図の作成を目的として,2015 年 10 月に高度約 50 m から対象地全域を撮影した。撮影した計 100 枚の空中 写真は,QGIS2.12.3 を使用して幾何補正を行った。 次に対象地の DEM(Digital Elevation Model:数値標高 図-1 研究対象地 N 財 田 川 荢 扱 川 潜堤 (1948~1976年の間に設置) 有明浜 瀬戸内海 0 500m 南区 北区 潜堤 (2008年頃に設置) 堤防 内陸地 クロマツ林 南端 基準 日緑工誌,J.
doi:10.7211/jjsrt.42.163 fatcat:wdaq3c6u5ne2fh75bet6ffkvie