Three Early Cases of Robot-Assisted Radical Cystectomy and Perioperative Management Using a Clinical Pathway

Yutaka Takezawa, Shun Nakazawa, Tatsuhiro Sawada, Kensuke Tomita, Yuji Fujizuka, Takeaki Makino, Toru Etsunaga, Yoshitaka Saito, Mikio Kobayashi
2019 The Kitakanto Medical Journal  
1 群馬県伊勢崎市連取本町 12-1 伊勢崎市民病院泌尿器科 抄録 膀胱癌患者 3 例にロボット支援膀胱全摘除術を施行した.尿路変更術は体腔外で回腸導管を作成した.3 例とも男性で, 年齢は 60 歳台 2 例,70 歳台 1 例であった.尿道摘除は 2 例に行った.周術期をクリニカルパスで管理し,ロボット支援 膀胱全摘除術におけるクリニカルパス使用の妥当性を検討した.周術期データ(手術時間,出血量,輸血の有無,合併症) を確認し,クリティカルインディケーター (術前の飲水と食事,術後の飲水,食事,座位,歩行,ドレーン抜去,点滴終了, 退院)の達成度を確認した.合併症は 1 例に尿路感染症を認めた.3 症例で,クリティカルインディケーターは全て達成 され,ロボット支援膀胱全摘除術の周術期管理におけるクリニカルパス利用は妥当であったと考えた.近年,膀胱全摘除 術の周術期管理に術後回復強化プログラムを利用が注目されており,この要素を取り入れた膀胱全摘除術クリニカルパス の改定が必要であると考えた. はじめに 筋層浸潤性膀胱癌に対する標準治療として根治的膀胱全 摘除術は施行されている. 1
more » ... しかし,出血量は多く,腸管 を利用した尿路変向を行うことから消化管合併症もあり, 比較的侵襲性の高い手術と考えられている. 2 本術式にお ける術後 90 日以内の死亡率が 2.4%,合併症率が 48.5%と の報告もある. 3 低侵襲な腹腔鏡下膀胱全摘除術(laparoscopic radical cystectomy: LRC)が 1990 年代から報告され 4 本邦でも広まった.さらにロボット支援膀胱全摘除術 (RARC)は 2003 年に初めて報告された. 5 低侵襲性と安 定した手術操作性により, 徐々に施設と症例数が増加した. 腔内での尿路変向術(ICUD: intracorporeal urinary diversion)については回腸導管が 2004 年に報告され, 6 代用膀 胱についても報告された. 7 本邦では 2018 年 4 月に RARC は保険収載され,当科で も 2018 年 9 月 よ り 開 始 し た. 当 科 で は,2016 年 よ り, LRC と体腔外尿路変更術(ECUD: extracorporeal urinary diversion)を主たる膀胱全摘除術として行なってきた.そ の周術期管理に "膀胱全摘除パス" (図 1)を利用してきた. 今回,RARC 初期 3 例においても同じパスを使用して, 周術期管理を行った. ロボット支援膀胱全摘除術初期 3 症例におけるクリニカ ルパス使用の妥当性について検討した. 文献情報 キーワード: ロボット支援膀胱全摘除術, クリニカルパス, 術後回復強化プログラム 投稿履歴: 受付 令和元年7月18日 修正 令和元年9月4日 採択 令和元年9月5日 論文別刷請求先: 竹澤 豊 〒372-0817 群馬県伊勢崎市連取本町12-1 伊勢崎市民病院泌尿器科 電話:0270-25-5022
doi:10.2974/kmj.69.335 fatcat:xa6bb7kcxrfevjky22ex25h5ia