人工血管の感染制御に持続洗浄吸引療法を行った 1 例
A Case Report : The Continuousnegative-pressure and Irrigation Treatment of Infecttion after Vascular Protheic Gfafting

Koichiro Shimoishi, Teiji Okazaki, Hidetsugu Hori, Keiichiro Tayama, Hiroyuki Saisho, Yuichiro Hirata, Keniti Kosuga
2016 Sosyo  
はじめに 移植人工血管の感染が生じると,抗生剤の投与と排 膿ドレナージの保存的治療では感染のコントロールが つきにくく, 治療に難渋する。標準的な治療としては, 感染した人工血管を抜去し,感染部と十分に距離を離 して別経路で再度バイパスをする手術が必要とされて いる。しかし再手術は侵襲が大きく,リスクも高いた め,患者本人のみならず,外科医にとっても大きなス トレスとなる。移植される人工血管の感染の予防のた めに,周術期の抗生剤の投与法や集学的治療の検討が なされているが,依然として根絶することはできない のが現状である。当院において人工血管の感染制御の ために創内持続洗浄吸引療法を行い,良好に治療し得 た症例の経験を報告する。 症 例 患者:66 歳,男性。 主訴:発熱,左大腿内側部発赤腫脹,左大腿部創よ りの滲出液。 現病歴:下肢閉塞性動脈硬化症による間歇性跛行に 対して,他院にて左総腸骨動脈の経皮的血管形成術, 左総大腿動脈-膝上膝窩動脈バイパス術(以下,他 院施行の FP バイパス) (人工血管ダイナフロー 7mm 径,メディコン,大阪)が施行された。術後 1 年 5 ヵ
more » ... が施行された。術後 1 年 5 ヵ 月になり間歇性跛行が再発し,当院を受診した。造影 CT 検査にて精査し,左総腸骨動脈のステント内閉塞 とバイパス人工血管の閉塞を認めた(図 1a) 。再手術 を目的として他院での手術から 1 年 8 ヵ月後に当院に 入院し,入院 7 病日目に大動脈-左総大腿動脈バイパ ス術(人工血管ジェイグラフト 9 mm 径,ライフライ ン,東京) ,左総大腿動脈-膝上膝窩動脈バイパス術 (以下,当院施行の FP バイパス) (人工血管アドバン タ PTFE グラフト 6mm 径,セント・ジュード・メ ディカル, 東京)を施行した(図 1b) 。術後 7 日目(入 院 14 病日目)に鼠径部の手術創がリンパ漏のために 離開したため,手術室にて局所麻酔でリンパ液の漏出 部の結紮閉鎖を施行した(図 2a) 。そのときの皮下組 織の切開操作中に鼠径部レベルで当院での FP バイパ <症例報告>
doi:10.11310/jsswc.7.145 fatcat:qqqspf5opve6xkq3qk6atan77i