Effects of Age Factors and Similarity of Elements in Packaging on Evaluation of Designs

Shioko Mukai
2015 The Proceedings of the Annual Convention of the Japanese Psychological Association  
,フォントの違いを考慮したデザイン評価における年齢 の影響はこれまで検討されていない。商品パッケージの評価 を検討することは消費者の商品に対する評価を予測するため に重要であり,印象形成の背景として考えられる類似性や年 齢の影響を詳しく調べる必要があると考えた。そこで本研究 では,先行研究が用いたフォントとパッケージを組み合わせ て画像刺激を作成し,各要素の因子得点を用いてユークリッ ド距離を求め,これを要素同士の類似度とした。実験では画 像刺激に対するデザイン評価を求め,類似度および年齢が評 価に与える影響について項目毎・フォント毎に分析を行った。 方 法 和文書体フォント4種(MS ゴシック,HG 教科書体,DF 金文体 W3,HG 創英角ポップ体)とお茶飲料パッケージ4種 (麦茶, 烏龍茶, 緑茶2種) を組み合わせた 16 画像を用いた。 Photoshop を使ってパッケージの商品名に用いられているフ ォントを本研究で用いる4種のフォントにそれぞれ加工修正 し,商品名の大きさはパッケージ全面積のうち 15%になるよ う調整した。作成した刺激は商品の原寸大のカラー画像に加
more » ... ,モニターにランダム表示した。 21 歳から 59 歳までの 34 名 (20 代 11 名, M = 23.55, SD = 2.07; 30 代 9 名, M = 35.78, SD = 2.36; 40 代 9 名, M = 43.33, SD = 1.57; 50 代 5 名, M = 54.00, SD = 3.37)に対して,美的印象に関する 形容詞対4項目(三井・野口, 2003)「バランスの良い-悪い」 , 「調和した-不調和な」 , 「 好き-嫌い」 , 「 美しい-醜い」に, 可読性「読みやすい-読みにくい」を加えた5項目について 7段階評価を求めた。 結 果 各評価得点より回答「どちらでもない」を以降の分析より 除外した。まず,類似度を考慮しない場合に年齢がデザイン 評価に与える影響を調べるために,年齢を説明変数として項 目毎・フォント毎に回帰分析を行った結果,重決定係数(R 2 ) は.00 から.13 までの値を示し,かつ統計的な有意差を示さな かった。次に,類似度を考慮した場合に年齢がデザイン評価 に与える影響を検討した。変数間(類似度と評価得点)の関 係を視覚的に確認するために散布図を描いたところ,線型あ るいは非線型(二次)の関係を示す可能性が見られたため, 類似度の値を二乗した変数 x 2 も説明変数とし,線型に変換し た。項目毎・フォント毎・年代毎に重回帰分析を行った結果, 3項目で 20 代と 50 代との間に評価の差異が見られた。 「バラ ンスの良い-悪い」では DF 金文体 W3 の 20 代が R 2 = .68(p < .001, 二次),50 代が R 2 = .81(p < .001, 線型), 「好き-嫌い」 では DF 金文体 W3 の 20 代が R 2 = .70(p < .001, 二次), 50 代が R 2 = .69(p < .01, 線型), 「美しい-醜い」では HG 教科書体の 20 代が R 2 = .56(p < .001, 二次),50 代が R 2 = .83(p < .01, 二次) であった。また,全ての項目において 50 代のみ有意な関連が 見られた。 「バランスの良い-悪い」では HG 教科書体が R 2 = .80(p < .001, 二次), 「調和した-不調和な」では,HG 教科 書体が R 2 = .86(p < .001, 二次) , 「好き-嫌い」では HG 教科 書体が R 2 = .61(p < .05, 線型), HG 創英角ポップ体が R 2 = .64(p < .001, 線型) , 「 美しい-醜い」 では, MS ゴシックが R 2 = .67(p < .001, 二次),DF 金文体 W3 が R 2 = .85(p < .001, 二次), HG 創英角ポップ体が R 2 = .58(p < .001, 線型) であった。項目「読
doi:10.4992/pacjpa.79.0_2pm-086 fatcat:fk4lg6bsnjgati4kbou42zyimy