Eco-city development of the city of Heidelberg "Bahn Stadt project"
ハイデルベルク市の環境市街区開発「バーンシュタットプロジェクト」

Masahiro MATSUDA
2013 The Japanese Journal of Real Estate Sciences  
1.はじめに 開発面積1 2 0h a ,工事期間1 5年,全工区が完成 すれば住宅1, 7 0 0戸と5, 0 0 0人分の職場を生み出す 新市街区「バーンシュタット (B a h n s t a d t ) 」の建 設がドイツ・ハイデルベルク市で進められている。 環境都市を標榜する同市にふさわしく,プロジェ クトの最重要コンセプトはエコロジカルで持続可 能な市街区の創造。緑地整備と省エネに注力し, 特に住宅・オフィス・商業ビル・幼稚園まですべ てパッシブハウス基準(P a s s i v h a u s S t a n d a r d )で 建設するというプランはその規模において他に類 をみない。 ハイデルベルク市と聞いて,多くの人がまず思 い浮かべるのは観光都市のイメージであろう。古 城や旧市街地は中世のたたずまいを今に残し, ネッカー川岸から城を見上げる観光景観は旅行ガ イドにしばしば登場する。ハイデルベルク市はま た6 0 0年の歴史を誇るドイツ最古の大学を擁し, と りわけ医学やバイオ分野の評価が高い。同市はバ イオ技術のクラスターを形成するハイテク産業都
more » ... 持っている。 多様な側面のあるハイデルベルク市が「環境都 市」と「古都」という際立った個性を活かしなが らどのような未来を築こうとしているのか。本稿 では環境を軸に持続的発展を目指すハイデルベル ク市のまちづくりを探りながら,バーンシュタッ トプロジェクトの持つ意義を検討してみたい。 ハイデルベルク市の環境市街区開発「バーンシュタットプロジェクト」 日本不動産学会誌/第2 6巻第3号・2 0 1 2. 1 2 8 5 特集 不動産開発と環境保全 【論説】 ハイデルベルク市の環境市街区開発 「バーンシュタットプロジェクト」 E c o ─ c i t y d e v e l o p me n t o f t h e c i t y o f He i d e l b e r g "B a h n S t a d t p r o j e c t " Ma s a h i r o MATS UDA:j o u r n a l i s t 松田 雅央 * 松田 雅央 * (まつだ まさひろ)在独ジャーナリスト 図2 旧市街地とバーンシュタットの位置 1) 中央駅付近を基点とする直径7k mの範囲に入る 図1 旧市街地と古城
doi:10.5736/jares.26.3_85 fatcat:gilcmxlxyrf5het552ixuz5wru