Letter to the Editor:Reply

髙嶋 博
2018 Neurological Therapeutics  
鹿児島大学神経内科・老年病学 髙嶋 博 2017年7月20日 このたびは,本誌のHPVワクチン・自己免疫性脳炎の症候学に関 連する総説に大阪大学上田豊先生,木村正先生よりご意見頂き,有 難うございます.特集の企画者としてお答え申し上げます.今回ご 指摘のHPVワクチン接種後に発生している「多様な症状」には,特 に神経症状が多いわけですが,本特集では,その解釈や神経内科で 多くの患者を診ている診療機関からこれまでの考え方をお示し頂き ました.私を含めた鹿児島大学神経内科でも,これまでに約50 名の HPV 関連が疑われる患者を常に複数名が入院する形で,2013 年 11 月から現在まで約4年間にわたって病態解析,治療をおこなってきま した. HPVによる子宮頚癌患者や感染者を減らしたいという貴施設の取 り組みは,大変重要であり,予防および,早期発見の啓蒙活動を含 めたそのご努力にも敬意を払うところであります.一方で,日本産 科婦人科学会のコメントも拝見いたしましたが,現状ではそのコメ ントの内容にあるようなHPVワクチンの日本人に対する安全性への
more » ... る病態解明もできておら ず,真の意味での診療体制は未だ構築されていないのが実情です. 実際には患者さんが望まれるような診療を行いうる病院がほとんど なく,九州のみならず,近畿,関東,東北地方からも鹿児島大学を 受診しているということもまた事実です.診療機関を探す努力は並 大抵のものではありません. ご指摘の厚生労働省調査研究班である祖父江友孝先生の班の疫学 調査でも,問題となっている多様な症状を10 個以上もち,学校や職 場に長期にいけなくなっている 12-18 歳の女性は,10 万人あたり 20.9 名認められ,そのうち 15.6 名(74.6%)が HPV ワクチンの接種
doi:10.15082/jsnt.34.4_472 fatcat:c5uxk3265vhfjlkyih27tpzazy