A case of dermatomyositis with anti-CADM-140 antibody and alveolar hemorrhage
肺胞出血をともなう抗CADM-140抗体陽性皮膚筋炎の1剖検例

Kenta Sato, Saori Morozumi, Yuko Takeuchi, Jun Ochiai, Chiyuki Mabuchi
2014 Rinsho Shinkeigaku  
54:408 多発筋炎(polymyositis; PM) ,皮膚筋炎(dermatomyositis; DM)は,ともに自己免疫性筋炎であるが,その臨床像は均 一ではない.近年,種々の抗体が同定され,また抗体と臨床 像,予後との関連についての知見も増えてきた 1) ~ 3) .今回, 急速に間質性肺炎が進行し,抗 CADM-140 抗体が陽性の皮 膚筋炎の 1 症例を経験した.臨床像,肺の病理所見に文献的 考察を加え報告する. 症例:47 歳女性 主訴:食思不振,皮疹,全身の疼痛 既往歴・生活歴:特記すべきことなし. 家族歴:膠原病などなし. 現病歴:2012 年 2 月に食思不振と四肢のむくみが出現した. 3 月中旬に手指先端の紫斑が出現し,眼瞼周囲の発赤を指摘 されるようになった.肩関節の痛みも出現し挙上困難になっ た.4 月上旬に咽頭痛および咽頭痛による嚥下困難が出現, 同時に全身の疼痛により起座も困難となった.近医より皮膚 筋炎うたがいで当院紹介入院となった. 入院時現症:身長 159 cm,体重 45 kg,体温 37.0°C,血圧 95/77 mmHg,心拍数 172/
more » ... 分,SpO 2 97%.身体所見ではヘリ オトロープ疹,ゴットロン徴候,逆ゴットロン徴候があり, 肩・肘・膝関節痛をみとめた.意識清明で構音障害はなく, 脳神経に異常所見はなかった.著明な咽頭痛を安静時からみ とめ,食物や唾液の嚥下,発語により増悪した.咽頭の発赤 や腫脹はみとめなかった.四肢の大関節痛が強く,痛みのた め他動的運動も困難であった.筋の運動時痛,把握痛が強く 筋力の詳細な評価は困難であったが,四肢近位優位に中等度 の筋力低下をみとめた.上肢挙上,下肢膝立は可能だが,関 節痛・筋力低下のため立位・歩行は困難であった.感覚障害 はみとめなかった.腱反射は正常であった. 入院時検査所見:一般血液検査では,白血球数 7,
doi:10.5692/clinicalneurol.54.408 pmid:24943077 fatcat:3o7ls5oibreljkdospnjdsejum