DEVELOPMENT OF A SUGGESTION TOOL FOR ENERGY-SAVING ACTIONS BASED ON THE ANALYSIS OF RESIDENTS^|^rsquo; BEHAVIORS AND ENERGY CONSUMPTION
居住者行動とエネルギー使用量の分析に基づく省エネ行動提案ツールの構築

Daisuke TOMIKOSHI, Toshiharu IKAGA, Shun KAWAKUBO, Kota FUJISAKI
2013 AIJ Journal of Technology and Design  
It is important to promote energy-saving actions toward the reduction of CO 2 emissions in residential sector. Residents should understand the actual conditions of energy consumption in their home in order to make energy-saving actions more effective. Therefore, in this research, a tool which suggests effective energy-saving actions was developed based on literature research and questionnaire survey. A workshop was conducted in Kawasaki City. Then, the residents received the information of
more » ... actual energy usage and effective energy-saving actions suggested by the aforementioned tool. As a result, 6.4% of CO 2 reduction was achieved. 富越大介 *1 伊香賀俊治 *2 川久保俊 *3 藤崎浩太 *1 キーワード: 実態調査,エネルギー用途分解,省エネ行動提案, ライフスタイル,住宅 Keywords: Questionnaire survey, Breakdown of energy by usage, Suggestion of energy-saving action, Lifestyle, Residence Daisuke TOMIKOSHI Toshiharu IKAGA Shun KAWAKUBO Kota FUJISAKI It is important to promote energy-saving actions toward the reduction of CO2 emissions in residential sector. Residents should understand the actual conditions of energy consumption in their home in order to make energy-saving actions more effective. Therefore, in this research, a tool which suggests effective energy-saving actions was developed based on literature research and questionnaire survey. A workshop was conducted in Kawasaki City. Then, the residents received the information of their actual energy usage and effective energy-saving actions suggested by the aforementioned tool. As a result, 6.4% of CO2 reduction was achieved. 1.はじめに 近年、気候変動問題が深刻化する中、CO2 排出量が減少しない民 生家庭部門において、省エネ行動の促進が必要である 1) 。また、福 島第一原子力発電所の事故の影響から電力不足に直面し、省エネ行 動の必要性は高まっている。こうした現状に対し、住宅におけるエ ネルギー使用量や省エネ行動に関して数多くの研究が行われてきた。 村上ら 2) や井上ら 3) は世帯のエネルギー消費構造は、家族構成やラ イフスタイル、住宅の断熱性能等の違いによって多種多様であるこ とを示した。石田 4) は住宅内の用途別エネルギー使用量を予測する 算出式の作成等を行い、伊香賀ら 5) は世帯の違いを反映可能とする 住宅内のエネルギー使用量予測モデルの構築を行った。しかし、前 者はトップダウン方式の予測手法のため個々の行動がエネルギー使 用に与える影響は議論できず、後者はボトムアップ方式の予測手法 のため個々の行動の違いは反映可能だが推計精度に課題が残る。 一方、省エネ行動に関する研究として、鳴海ら 6) はシミュレーシ ョンを用いて省エネルギー効果を評価し、澤地ら 7) は省エネ行動を 実践する前後のエネルギー使用量の測定により省エネルギーのポテ ンシャルを評価した。また、石田ら 8) によって HEMS 注 1) を利用した 住宅のエネルギー使用量の明示や省エネ行動提案による省エネ行動 促進に関する研究が行われ、その効果が示され、各世帯に合わせた 省エネ行動の提案による省エネルギー実現の可能性が明らかになり つつある。しかし HEMS 等の設備は全ての家庭に即時的に導入でき るものではないため、そうした設備を要さずに居住者が自身の住宅 におけるエネルギー使用の実態を正確に把握するためのシステムが 必要である。環境省によって「うちエコ診断事業」の取り組みが行 われ 9,10) 、居住者は簡単なアンケートに答えることで特殊な設備を 要さずに自宅のエネルギー使用の実態や効果的な省エネ行動の把握 が可能となった。しかし、こうした事例における評価は簡易的な調 査項目による評価であることや、 対象が CO2 排出量にとどまり、 日々 の生活に密着した室内環境の評価が不十分と言える。 そこで本研究では、居住者行動とエネルギー使用量の分析に基づ く省エネ行動提案ツールの構築を行い、ツールを利用した省エネ行 動の提案による省 CO2 効果と室内環境への満足度の検討を行った 注 2) 。本ツールは、ライフスタイルやエネルギー使用実績を調査した 結果をもとに各世帯の用途別の CO2 排出量の正確な内訳や効果的な 省エネ行動の提示を行うものであり、特殊な設備等がなくとも誰で も利用できるツールの構築を目指したものである。これにより、効 果的な省エネ行動を後押しし、一層の省 CO2 効果を狙う。 2.ツールの構築方法 本研究においては、住宅内の用途別の CO2 排出量の内訳を精度良 く推計した上で省エネ行動による効果を明示することが可能なツー ルの構築を目指す。住宅内のエネルギー使用量に関する文献調査を ベースとして、家族構成や個々のライフスタイル、住宅の断熱性能 等、属性の違いを考慮するため、アンケートによる実態調査の結果 を反映可能なツールの構築を行った。 3.省エネ行動提案ツールの構築 3.1 構築方法の概要 本ツールでは「①省エネ行動による効果を明示すること」 「②用途 *1 慶應義塾大学大学院理工学研究科 修士学生 (〒223-8522 神奈川県横浜市港北区 3-14-1 14-620C 伊香賀研究室) *1
doi:10.3130/aijt.19.655 fatcat:v4nwkvywlzar3kofyxstmhfriy