Numerical Simulations of Flow around an Actual Complex Terrain
CFDによる実在地形周りの流れの計算

Kohta ENOKI, Yoshiyuki ONO, Takeshi KISHIDA, Ryoji SASAKI, Tetsuro TAMURA, Tsuyoshi NOZU, Yusuke MARUYAMA
2014 Wind Engineers JAWE  
本章では,実在する複雑地形を対象にした場合,周辺 の風の流れの計算について,CFD 手法の現状と課題をま とめ,その計算事例を示すこととする。 1.複雑地形問題のための CFD 手法 複雑地形における CFD 手法を以下のように現状と課 題をまとめることとする。複雑地形を対象とする場合に は,それに対応すべき計算予測方法を採用するべきであ り,それを実現するための情報を提示するものである。 実際に存在する地形は複雑な形態を有し,その千差万別 の大きさの部分で構成される。それを境界面として格子 生成するには,格子形状にも自由度が求められる。まず は任意形状に対する格子生成の方法として非構造格子と 一般座標系を取り上げ,それぞれの特徴をまとめる。さ らに,近年,各方面で普及している流れの計算コードを 解説する。特に使用が頻繁になっているものとして,オ ープンソースコードである OpenFOAM が取り上げられ る。その実態とその活用法あるいは使用にあたっての注 意点・課題について述べる。また,風を乱流として捉え た場合,乱流のモデリング技術が必要となるが,その代 表的モデルとして LES
more » ... と RANS を取り上げ,地形のま わりの乱流場を対象としたときに発生する剥離流れに配 慮しながら,乱流モデルの限界あるいは適用性を解説す るものとする。特に空間フィルタリングの概念が必要な LES では,格子形状が変形するためその対応方法が課題 となる。また,CFD 手法は一般に限定された形状の計算 領域で実行されることになるが,その境界での取り扱い 方法について吟味する。地形を覆う植生は,多雨の日本 の場合,比較的高い木々で構成される場合が多く,そう いった空隙を有する境界においては,特別な境界条件,
doi:10.5359/jawe.39.233 fatcat:4smjemuztvctrg2ssrwmschure