No.19 褐炭の燃焼特性に関する基礎研究(ガス化・燃焼・液化(2))
No.19 The combustion and pyrolysis characteristics of brown coal

Yoshinori SAITOU, Sohei SEINO, Yuichi KASATANI, Hee Joon KIM, Tadaaki SHIMIZU, Liuyun RI
2012 Proceedings of Conference on Coal Science  
SYNOPSIS In this study, the combustion and pyrolysis of brown coal have been done. Combustion/pyrolysis rate had been investigated. As the result, the pyrolytic mass change varies according to the temperature in the furnace. The pyrolytic activation energy is divided into two stages. The activation energy is for 300~400and 400~800℃ are 5.2 and 39.8kJ/mol , respectively. 1.緒言 近年、中国やインドなどの新興工業国の経済発展 に伴い、世界的にエネルギー需要が急速に増加し、 化石燃料の枯渇と価格の高騰が問題となっている。 化石燃料の中でも石炭は埋蔵量が豊富であるが、現 在利用されている石炭の大部分が瀝青炭などの高品
more » ... ある。石炭埋蔵量の約半分を占める低品位炭 は水分含有率が高く、低発熱量で、自然発火性が高 いという問題があり、使用が制限されている。低品 位炭の中でも褐炭は特に埋蔵量が豊富であること、 経済的な視点から採掘費が安価であり、瀝青炭に比 べて硫黄分や灰分が少ないことの長所がある。上記 の短所を改善し、高品質化すれば、今後瀝青炭と代 替が期待される。また、褐炭の有効利用によって化 石燃料枯渇問題の解決につながる。そのためには褐 炭の熱分解・燃焼特性を解明する必要がある。そこ で、本研究では褐炭の燃焼・熱分解特性について基 礎的な検討を行った。 2.実験装置及び方法 本研究では電気加熱式燃焼炉を用いて燃焼実験を 行った。燃焼炉の反応管径は 10cm であり、垂直方 向への上下移動が可能である。電子天秤を燃焼炉上 部に設置し、電子天秤につないだ鎖に試料をのせた ステンレス製のバスケット(炭化処理済み)を吊る し、燃焼過程中の試料の質量変化を測定した。実験 試料には Loy yang 炭を用いた。試料重量を 0.5g と して、ふるい分けを行い粒径 1mm 以下となるよう にした。反応ガスである空気ならびに窒素、酸素を 装置底部より供給し酸素濃度を変化させた。熱分解 実験では供給ガスを N2 のみとして酸素濃度を 0% とした。炉内温度を 573~1073K に変化しながら実 験を行った。燃焼実験では酸素濃度 5~21%におい ては空気と窒素の流量を調節し、酸素濃度 21~ 100%では空気と酸素の流量を変化させた。 3.結果及び考察 (1)熱分解特性 供給ガスを N2 ガスのみとし(酸素濃度 0%) 、炉 内温度を 300℃~800℃で変化させながら熱分解実 験を行った。各温度における試料重量の経時変化を 図 1 に示す。熱分解によって揮発分が先に放出され 急速に質量が減少する。その後の重量は一定となっ ている。揮発分による質量変化は炉内温度によって 異なるが、800℃では揮発分が 60%であり、300℃で は約 15%である。炉内温度が低下するにつれ、放出 される揮発する量が減少し、熱分解速度も遅くなっ ていることがわかる。すなわち、800℃から 600℃ま
doi:10.20550/jiesekitanronbun.49.0_38 fatcat:jzvdsturgfdz3p25tpvl56izvy