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Structural Biology of Neural Systems
脳・神経系の構造生物学
2010
Seibutsu Butsuri
脳・神経系の構造生物学
1. 記憶や学習の機構が分子レベルでわかりつつある が,特に構造生物学的研究の進展は目覚しい.たとえ ば,生理学の 1 つの大問題であった大きい K + イオン が小さい Na + イオンよりも速く K + チャネルを透過で きる機構が解明され,速い水透過と高い選択性を有す る水チャネルの構造が解析され,ニコチン性アセチル コリン受容体の構造も解明され,興奮性シナプスにお ける主役であるグルタミン酸受容体の 1 つの構造が解 析され,電気シナプスの主役であるコネキシンの 1 つ が解析されるなど,構造生物学的に大きな展開がみら れた.しかし,まだ解明されなければならない問題も 多く残されている.それゆえ,これまでに明らかに なった代表的構造研究を概説すると共に,明らかにす べき課題にも触れることとする.なお,この解説で は,神経細胞や脳の働きを構造生物学的視点で理解す ることに限って概説することとする.シナプス可塑性 や神経伝達物質放出などの機構は非常に重要でここに 含むべきであるが,優れた reviews があることと紙面 の都合から,シナプス後肥厚に存在する足場タンパク
doi:10.2142/biophys.50.276
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