Reconstruction of a Person's Advanced in Age Vocational Capability Exertion Support System

Eiichi OHKI
2007 Journal of the Japan Society for Precision Engineering  
Key words employability,matching,career consultant,competency,the social role of a society 1.変わりつつある組織と個人の関係 わが国の経済は,現在,大きな構造転換に直面してい る.1980 年代のような自信にみちた日本肯定論は退潮し, トップ経営者の中からは日本の経営の見直しが提唱されて いる.その見直しにあたっては, 「企業と個人の関係」 ,特 に,両者間の"親密すぎる"関係が変革されるべきである と主張されている.いわゆる"企業社会" "会社人間"と いった言葉が企業と個人の"親密すぎる"関係を端的に表 している. これまで,わが国は会社主義の下で,物質的な豊かさを 実現してきた.しかし,豊かになるにつれて次第に日本人 の意識や価値観にも大きな変化が現れ,個人個人が自らの 生き方や働き方を問い直し,個人生活のあらゆる場で主体 的に生きられるような社会を実現したいと考えるようにな ってきた.それは,個人のなかに占める企業(組織)の存 在に大きな変化が起きつつあることのあらわれでもある.
more » ... 企業側も経済成長の鈍化,激化する国際競争などの 市場環境の変化のなかで,新しい人事管理を模索し始めて いる.それは,企業(組織)と個人(従業員)の間に成立 していた「暗黙のルール」が崩壊しつつあることを示して いる. 現在,中高年の大卒ホワイトカラー(例えば,大卒技術 者)についていえば,入社した企業およびその企業グルー プのなかで定年まで働き続けることを前提に人生の設計図 を描いてきたはずである.その設計図を支える終身雇用に もとづく年功給与の考え方は,若いときの給与は生産性よ りも低く設定され,生産性と給与の差で表される給与は, 従業員個人が会社に対して貸しておく部分として捉えると いうものである.その後,中高年に達すると,従業員はこ の差に当たる金額を返してもらい,生産性を上回る給与を 得ることになる.これはまた,従業員個人の生活費の年齢 変化に対応している.この貸し借りが「暗黙のルール」と いわれるものである. こうした「暗黙のルール」のもとで,これまで, 「特定 企業に雇用を依存していた社会」 (定年が 60 歳を前提とし た社会)が構築されてきた.しかし,これからは「暗黙の ルール」が崩壊しつつあるなかで, 「特定企業依存型」の 社会から,企業・個人が協力して雇用を重視していく社 会,つまり, 「特定企業に依存せず,65 歳まで第一線で働 くことを前提とした社会で,社会全体で雇用を重視してい くような社会」 (以下, 「65 歳現役雇用型」社会と略す) を構築していかざるを得ない状況にある.そのためには, 今後,企業,個人,社会が新しい仕組みを整備していくこ とが必要になってくる. 本稿では,第一に,企業(特に経営者)は,今後,どの ような人事戦略(人事管理の基本的な考え方)を指向し, 人事管理をどのように変えようとしているのか.こうした 新しい人事管理を「65 歳現役雇用型」社会の実現に向け て機能させていくためには,今後,社内でどのような新し い仕組みを整備していくことが必要であるのかを提示す る. 第二に, 「65 歳現役雇用型」社会の実現に向けて,個人 (従業員,特に中高年社員)にはどのような行動が求めら れているのか,それに対して企業や社会からどのような支 援が必要であるのかを提示する. 第三に,これまでの「年齢」を中心とした「人と仕事を 結びつける」社会的な仕組みから,今後,どのような新し い社会的な仕組みを整備することが「65 歳現役雇用型」 社会の実現に向けて,有益であるのかを提示する.と同時 に,これからの「学会」の社会的な役割が「65 歳現役雇 用型」社会の構築に大きな役割を果たすことを提示し,ま とめとする.
doi:10.2493/jjspe.73.1200 fatcat:rjbntrpy25bvjac3nvmf5j4mki