A Literature Review of Life Cycle Assessment Study in Architecture and Civil Engineering Field

Ryoko MORIMOTO
2014 Journal of Life Cycle Assessment Japan  
1. はじめに 建築・土木関連のCO 2 排出量は膨大な量であり、住宅や 事務所の建設や運用を含む建築関連から排出されるCO 2 排 出量は日本の全産業の 3分の 1 1) 、自動車や鉄道等の運輸 部門は約 5分の 1を占める 2) 。そのため、住宅や交通、公 共工事にも「環境へのやさしさ」が強く求められている。 本稿は、建築・土木分野の LCAに関する文献を調査し、 表にまとめるとともに、その到達点と課題を整理する。国 内論文は主に、日本建築学会と土木学会が発行している論 文集を調査する。査読を経ない講演集は対象外とする。リ サイクルやライフスタイル等建築・土木に限定されない話 題は除外し、建設に関するもののみを対象とする。 海外文献も同様にジャーナルを調査する。建築に関して は、Building and Environment 誌 や Energy and Buildings誌にそれぞれ 100以上の文献が確認された。紙 面の都合上、表への記載は割愛するが、多くはSETACの 報告書 3) にまとめられているため、そちらを参照されたい。
more » ... に関しては、日本の文献調査の結果、様々な評価対象 のうち、橋梁等の構造物の建設と道路を含む交通施設の LCAは土木分野でのみ取り組まれていると考え、それら を重点的に調査した。廃棄物・廃水処理関連や、自動車や 航空機の機体のみの LCA事例は調査対象外とした。交通 に関する文献は数が多いため、2010年以降のもののみ記 載した。 2. 報告書、書籍、ソフトウェア 建築・土木分野ともに、適用事例、指針、推計に用いる 環境負荷原単位が報告書や書籍としてまとめられている。 また、詳細な構造が決定していない段階で事前評価ができ るようにするための概略LCIで使用する標準原単位の整備 はこの分野の特徴的な点である。 これらを元に、簡易に推計を行えるツールも公開され、 建築物の新築・増築の際に自治体がその評価結果の提出を 義務付ける等、実務で活用されている。 3. 論文 (1)建築のLCA 建築物のライフサイクルから発生する環境負荷を把握す るだけでなく、運用時の省エネルギー対策や、建設資材の リサイクル利用の検討等の環境負荷削減施策の評価が行わ れている。さらに、このような単体の建築物の集合として、 地域や都市を対象として環境負荷を削減する施策の効果や 将来の環境負荷の推移について、詳細なシミュレーション を行っている研究がある。これには、後に述べる土木分野 の社会資本インフラを含めて、共通で行われている。 (2)土木のLCA 河川整備、港湾、橋梁、上下水道、汚泥の輸送や処理を 含めた下水処理や廃棄物処理施設、道路や交通施設等各種 の構造物を対象に LCAが試みられ、ライフサイクル環境 負荷や環境影響が定量化されている。土木構造物に多く使 用されているコンクリートや鉄が大きな負荷要因であるこ とから、資材製造のステージが大きな割合を占める。また、 ライフタイムが長いインフラは、利用段階の考慮が重要で あることが示されている。 さらに、岩淵ら 4) は、 「社会資本インフラの LCAにお いては、製品の LCAとは異なる考慮が求められる部分が ある」としている。例として、波及効果まで含めた評価を 行うためのシステム境界の設定や、構造物の寿命の設定、 異なる構造物同士(鉄道と道路等)の機能をそろえた比較 のための指標の設定を課題として挙げている。近年は、そ の解決に取り組んだ論文が多く見られる。
doi:10.3370/lca.10.58 fatcat:3orysaoxmjfmbhy76dkq5euwwy