Usefulness of the pulse oximeter method for the evaluation of heart rate in conscious rats
パルスオキシメーターを⽤いた覚醒ラット⼼拍数評価系の有⽤性検討

Daigo IMOTO, Kenta WATANABE, Tadashi TSUBOUCHI, Kazuhiro CHIHARA, Izuru MIYAWAKI
2021
大日本住友製薬株式会社前臨床研究ユニット 医薬品開発において、適応症によっては心拍数に対する影響が開発中止の要因になるため、探索初期段階での評価が望まれる。 探索初期段階では化合物量が限られているため、効率的な安全性評価のためには、げっ歯類を用いた一般毒性試験の中で心拍 数を組み込んで評価できることが望ましい。しかし、通常、心拍数測定にはテレメトリー送信機の埋め込みが必要で、一般毒 性試験への組み込みが困難である。そこで、我々は簡便かつ非侵襲性に心拍数が測定できるパルスオキシメーターに注目した。 パルスオキシメーターは通常麻酔下の使用であるが、覚醒下のラットでも測定可能か否かを検証した。 テレメトリー送信器を埋め込んだ雄性覚醒下SDラット(n=5)の頸部に、小動物用パルスオキシメーター(MouseOx Plus ® ) 、 Starr Life Sciences Corp.)の専用プローブを装着し、 テレメトリー法(Ponemah、 Data Science International)とパルスオキシメー
more » ... e(3、30 mg/kg)及びAtenolol(30、100 mg/ kg)を、媒体対照として0.5%メチルセルロース水溶液をそれぞれ単回経口投与し、投与前及び投与後1、2及び4時間に心拍数を 計測した。心拍数の評価には測定時点の前後5分間で心拍数の変動が少ない連続した1分間の平均値を用いた。その結果、両 測定法で得られた心拍数は240 ~ 435 bpmの範囲で良好な一致性を示した(相関係数:0.9996、平均絶対差:0.6727) 。また、い ずれの測定法でも、Milrione及びAtenolol投与によりそれぞれ有意な心拍数増加及び心拍数減少を示した。 以上より、パルスオキシメーターは覚醒ラットでも心拍数を正確かつ安定的に測定することが示され、一般毒性試験への組み 込みが可能であることが示唆された。
doi:10.14869/toxpt.48.1.0_p-145e fatcat:enzf2rr7yjaz5i2tazohfck2z4