Obstructive Ventilatory Impairment in Sarcoidosis
当科で診断されたサルコイドーシスの閉塞性換気障害の検討

Ryosuke Hirano, Yuji Yoshida, Takemasa Matsumoto, Naoki Tashiro, Taishi Harada, Takako Hirota, Motokimi Shiraishi, Masaki Fujita, Kentaro Watanabe
2013 The Japanese Journal of Sarcoidosis and Other Granulomatous Disorders  
はじめに サルコイドーシスは多臓器に非乾酪性類上皮細胞肉芽 腫が存在する原因不明の全身性疾患であり,90%以上の症 例で肺に病変を認める.肺サルコイドーシスは進行する と肺の線維化をきたし,呼吸機能からみれば拘束性疾患 として認識されることが多い.サルコイドーシスにおい て閉塞性換気障害は見落とされがちになるが,閉塞性肺 疾患を呈する症例も少なくない.閉塞性換気障害は線維 化が進行した末期のサルコイドーシスに現れることもあ るが,拘束性換気障害のない,比較的初期のサルコイドー シスにおいても閉塞性換気障害をきたす例があることが 報告されている 1) . 今回,当科を受診したサルコイドーシス患者を後ろ向 きに調査し,閉塞性換気障害について検討したので報告 する. 対象 2000年1月から2012年8月の間に当科で経験したサル コイドーシス症例のうち,スパイロメトリーが施行され た75例(臨床診断群を含む)を検討対象とした.75例の 内訳は男性28例,女性47例,平均年齢は51歳(24歳-77 歳)であった. 方法 喘息の既往などの臨床背景,臨床症状,血液検査所見,
more » ... 肉眼所見(ネットワーク形成や 気道粘膜の発赤・腫脹,気道内の結節性病変)について, FEV 1 /FVC<70%を示す閉塞性換気障害の有無で2群 に分けて比較検討した.次に末梢気道病変の指標として V ・ 50 /V ・ 25 を用い,V ・ 50 /V ・ 25 <3と≧3の2群に分け,前述の パラメーターを比較した. また気管支鏡所見としてnetwork formationの有無や発 赤・腫脹の有無(気管支鏡の際に撮られた気道粘膜の写 真をもとに,2人の医師が判定した.見解が分かれた場 合は合議により判定した)で2群に分け,2群間におい て前述の呼吸機能や検査データを比較検討した.画像所
doi:10.7878/jjsogd.33.79 fatcat:ipv5553r6fc7ri5vdw2hdrydsq