Regulatory mechanism of megakaryocyte-lineage differentiation in hematopoietic stem cells

Hidekazu NISHIKII
2020 Japanese Journal of Thrombosis and Hemostasis  
要約:生体内を循環する末梢血中の血小板数は,外界からの様々なストレス・需要に応じて綿密にコントロー ルされていると考えられるが,造血システムという観点から考えたとき,血小板産生とその前駆細胞である巨 核球分化はどのように制御されているのだろうか.従来,巨核球は,造血幹細胞(hematopoietic stem cell: HSC) から骨髄球系共通前駆細胞(common myeloid progenitor: CMP) ,Bipotent な巨核球/赤芽球系共通前駆細胞 (megakaryocyte/erythrocyte progenitor: MEP)へ分化した後,最終的に赤血球分化能を失って産生される終末分化 細胞として考えられてきた.このような HSC を頂点とした階層(ヒエラルキー)を形成する分化モデルは概念 的に理解しやすく広く受け入れられてきたが,一方で分化の階層で最上位に位置する HSC と最下層に位置する はずの巨核球の分子学的共通性が以前から指摘されてきた.近年のシングルセル解析技術の発展により,同一 の表面抗原を有する集団として捉えられてきた
more » ... して捉えられてきた HSC・前駆細胞を,機能的にヘテロな集団の混在として捉える 事が可能となった.その結果見えてきたものは,HSC と定義していた細胞の一部は高い巨核球分化能を有して おり,生体の需要に応じた巨核球産生制御は HSC とその近傍レベルで行われているという,従来型の階層型血 球分化モデルでは説明できない新しい血球分化モデルである.本稿では最近の HSC レベルでの巨核球分化制御 に関する報告を解説し,その結果導かれる新規巨核球分化モデルに関して議論したい.
doi:10.2491/jjsth.31.479 fatcat:4bxb7sixnjaonj6vnyfvxwhsm4