伊豆沼・内沼のハスNelumbo nuciferaの窒素含有率の季節変動
Seasonal change of nitorogen content of Nelumbo nucifera in Lake Izunuma-Uchinuma

Yasushi Suzuki, Yasushi Miyake, Hiromi Mitsutsuka, Tetsuo Shimada, Chitoshi Mizota
2010 Izunuma, Uchinuma kenkyu hokoku  
年 12 月 8 日受理 要旨 伊豆沼の水質浄化および自然再生を目的として,優占種であるハスに関する調査解析を行なっ た.ハスは底質から窒素等の栄養塩類を吸収する一方,枯死した植物体は水質汚染の原因になること が懸念される.ハスの刈り取りによる沼からの栄養塩類の除去や群落の管理等の可能性を検討した. 2007 年に 2 つの実験を行なった.1 つは,ハスを容器内で栽培し,植物体内での窒素移行および土 壌からの窒素吸収について調べた実験である.植物体中の窒素重量の合計は,4 月から 8 月にかけて 増加し,8 月と 11 月に同じ値となった.部位別の窒素重量および部位別の窒素寄与率の変化から,8 月以降,地上部の窒素が地下部に移行したことが示された.ハスの栽培後,土壌中の窒素の 34.2% が減少した.もう1つは,伊豆沼のハス群落について水面上で刈り取る実験である.8~11 月の間に月 1 回の刈り取りを行ない,単位面積当たりの現存量および窒素含有率の値を調べた.各部位の窒素重 量は 8 月が最も高く,11 月にかけて減少した.期間を通じて葉身の値が非常に高く,8 月には 4.0%と
more » ... が非常に高く,8 月には 4.0%と なった.8 月にハス群落の水面上の植物体の刈り取りによって除去できる窒素の絶対量は 7.9 g/m 2 と なった. はじめに 宮城県北部に位置する伊豆沼・内沼(以下,伊豆沼)は,ラムサール条約登録湿地に日本国内で 2 番 目に指定された湖沼である.かつての伊豆沼の水質は良好で,人々が沼で泳いだり,水生植物のジュン サイが自生するほどであったが,現在は富栄養化が深刻な湖沼である.化学的酸素要求量(COD)によ る汚染度の高さは 2003~2006 年度まで全国の公共用水域中 2 番目という,厳しい状況が継続している.
doi:10.20745/izu.4.0_9 fatcat:t2llbrxywnhzriyg55y5c7xpqa