NUMERICAL ANALYSIS OF Enhalus acoroides SEED DISPERSAL IN THE NORTHWESTERN SEA AREA OF IRIOMOTE ISLAND, JAPAN
数値シミュレーションを用いた西表島北西部のウミショウブ群落における種子の分散力評価

Tomokazu MURAKAMI, Hiroyoshi KOHNO, Michiru TAMAMOTO, Akira MIZUTANI, Shinya SHIMOKAWA
2015 Journal of Japan Society of Civil Engineers Ser B3 (Ocean Engineering)  
2 東海大学 沖縄地域研究センター(〒907-1541 沖縄県八重山郡竹富町上原 870-277) 3 東海大学 大学院海洋学研究科水産学専攻(〒424-8610 静岡県静岡市清水区折戸 3-20-1) 4 正会員 国立研究開発法人 防災科学技術研究所 水・土砂防災研究ユニット (〒305-0006 茨城県つくば市天王台 3-1) 本研究では,西表島北西部のウミショウブ群落における種子を対象として,観察・実験データに基づい た数値シミュレーションを実施した.そして,群落の分布や規模を決定付けるだけでなく,衰退・消失し た群落の自然回復力に関わる種子の分散力を評価した. その結果,種子の平均浮遊時間 2.4 時間の平均移動距離は,261 m に留まることが明らかとなった.これ は,東西約 10 km,南北約 15 km の西表島北西部のスケールに対して極めて小さいものである.移動距離 の小ささの主因は,種子の浮遊時間の短さにあり,さらに群落形成場所の弱い流速にも一因があることが わかった.また,群落間の種子の交流数を調べ,消失した群落には,他群落からの種子の加入がほぼない ことなどが示された.これらのことから,ウミショウブ種子の分散力は極めて弱いと結論付けられた.
doi:10.2208/jscejoe.71.i_951 fatcat:rbvq7lhjxfebjfpfnbvenn76di