THE TEST RESULTS OF BUILDING MATERIALS EXPOSED IN VARIOUS ENVIRONMENTS FOR TEN YEARS
いくつかの建築材料の各種環境下での10 年間の暴露試験と結果
Saori ISHIHARA, Noboru YUASA, Yasuhiro UMEMOTO, Kyoji TANAKA
2017
AIJ Journal of Technology and Design
Saori ISHIHARAー ーーーーー * 1 Noboru YUASAー ーーーー * 2 Yasuhiro UMEMOTOー ーー * 3 Kyoji TANAKAーーーーーー * 4 Wood, steel, aluminum, stainless steel, PVC board and cement mortar were exposed to outdoor, indoor and underground for 10 years to provide the relative comprehension for some building materials degradation. It was obtained that the progression degree of degradation differs depending on exposure place. For example, in the case of wood and steel, degradation in the underground is the most progress,
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... d in the case of aluminum and PVC board, degradation at outdoor is the most progress. It is useful to understand intercomparison of building materials degradation. Wood, steel, aluminum, stainless steel, PVC board and cement mortar were exposed to outdoor, indoor and underground for 10 years to provide the relative comprehension for some building materials degradation. It was obtained that the progression degree of degradation differs depending on exposure place. For example, in the case of wood and steel, degradation in the underground is the most progress, and in the case of aluminum and PVC board, degradation at outdoor is the most progress. It is useful to understand intercomparison of building materials degradation. 1.はじめに 建築物は他の工業製品と異なり、基本的に長期間の使用が期待さ れる。 そのため使われる材料も十分耐久的であることが要求される。 その耐久性を調べるため、各種暴露試験が行われるが、建築を構成 する材料は多岐にわたり、且つ材料ごとに使用環境が少しずつ異な るため、その耐久性は材料ごとに研究されることが一般的であり、 主に組成の影響や劣化因子との関係等が詳細に検討されてきた。 一方、建築を学ぼうとする建築系学科の学生、特に初学者にとっ ては、個々の材料の詳細よりも、全体的にどのような個性を持って 変化するかの理解が必要であると考えられる。言い換えれば、材料 間の耐久性に関するおおまかな相対的位置づけである。特に最近は 研究が細分化、緻密化され、材料個々の分野では膨大な詳細研究の 積み重ねはあるものの、初学者がこれを横断的、相対的に理解する には難しい状況にある。 この様なことを背景に、本研究は建築材料教育において、耐久性 を学習する初学者を念頭におき、その理解を助けるための資料を得 ることを目的に行われたものである。そのため暴露試験研究として は厳密性を欠く部分もあるが、一般的に使用されるいくつかの建築 材料を、 10 年間暴露し、 劣化の相対性に着目して調べたものである。 本研究では屋外環境以外に、土中への暴露も実施し、各種建築材 料の材料劣化も調べた。これは近年地下利用が進み、地下構造物が 多く造られているにも係わらず、建築分野では土中環境での材料劣 化の情報が少ないことを鑑み、将来必要になると考え加えた。 2.暴露材料 建築に使われる材料の中から代表的な材料として、木材(スギ) 、 鋼材(SS304) 、アルミニウム(A5052P) 、ステンレス(SUS304) 、塩 化ビニル樹脂(硬質板) 、セメントモルタル(水セメント比 40%) を選定した。それぞれの基本的性質を表 1 に示す。 3.暴露試験 3.1 暴露環境と暴露方法 各試験体の暴露は写真 1 に示すような 3 環境とした。基本は多く の耐久性研究で行われる様に、 すべての気象因子の影響を受ける 「屋 外」である。これは 9 階建て建物屋上に、南面 45°に設置した金網 上に試験体を設置した。この暴露状態では、試験体表面側は直接の 日射、 雨水の影響を受ける。 一方背面はそれらからは保護されるが、 下地が金網であるため空気の流通は自由であり、気温等の条件は同 じとなる。 2 つ目は「土中」である。土中暴露では地表面からの深さが重要 となるが、一般的に地表に近い部分で劣化が激しくなる事が知られ *1 千葉工業大学 准教授・博士(工学)
doi:10.3130/aijt.23.795
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