<寄稿論文>高校生によるBelouzov-Zhabotinsky反応の新しい現象の発見 -長時間停止したBZ振動の復活-

大久保 絢夏, 小沼 瞳, 横川 真衣, 遠藤 美貴, 栗橋 愛, 沢畠 博之, Petrosky Tomio
高校生による Belouzov-Zhabotinsky 反応の 新しい現象の発見 -長時間停止した BZ 振動の復活 -筑波大学理工学群化学類 大久保 絢夏 茨城大学理学部理学科生物コース 小沼 瞳 茨城大学工学部生体分子機能工学科 横川 真衣 水戸市役所 遠藤 美貴 茨城県立医療大学保健医療学部作業療法学科 栗橋 愛 茨城県立水戸第二高等学校 沢畠 博之 1 千葉大学大学院理学研究科 北畑 裕之 テキサス大学複雑量子系センター Tomio Petrosky 本報告は、茨城県立水戸第二高等学校 数理科学同好会の女子生徒が見つけ、2011年11月1 7日に J. Phys. Chem. A 誌(以下 JPCA)に掲載された Belouzov-Zhabotinsky(BZ)反応の研究 成果に、掲載に至るまでの経緯およびその後の発展の成果を加えたものである。閉鎖系における BZ 反応の長時間の振る舞いを実験的に調べた結果、マロン酸と臭素酸ナトリウムの初濃度を変化させ た時、ある濃度領域において、10時間ほど振動が続いた後、数時間から20時間にわたる定常状
more » ... が見いだされた。一方その他の濃度領域において、振動が 停止した後、単に定常状態のまま推移するだけであった。さらに、マロン酸と臭素酸ナトリウムの 初濃度を変化させた時の振動停止の仕方について、状態分岐図で示すことができた。 1 はじめに 2011年は東日本大震災、福島原発大災害と大変荒んだニュースが流れていたのですが、それ でも、明るいニュースが無かったわけではありませんでした。中でも「なでしこジャパン」の女子 サッカー世界一のニュースは皆さんをどれだけ勇気づけてくれたことでしょう。実は、そんなホッ とするような明るいニュースが日本の高校生たちによっていくつもなされたのも、2011年でし た。特に暮れには、水戸第二高等学校の女子高校生や仙台第二高等学校の生徒たちの発見がそれぞ 1
doi:10.14989/170066 fatcat:jijmsxaapza2dprbixm4zn6b2i