Electrophysiological effects of ghrelin on dorsal raphe neurons in rats in vitro

2011 Journal of Life Support Engineering  
1. はじめに Ghrelin は 1999 年に発見された脳-腸管ペプチドで、 成長ホルモン分泌促進作用、摂食促進作用、睡眠-覚醒調 節作用などを持つ。Ghrelin 受容体である GHS-R は脳に 広く分布しており、5-HT ニューロンを多数含有する DR にも豊富に存在する。DR は摂食や睡眠-覚醒調節などに 関わっていることから、ghrelin の多様な生理作用は DR ニューロンを介して発現している可能性がある。そこで 本研究では、DR ニューロンに対する ghrelin の作用を電 気生理学的及び薬理学的に検討した。 2. 実験方法 実験には 12~17 日齢(体重:17~36g)の Wistar 雄ラッ トを用いた。麻酔後断頭して、脳を摘出、スライサーに より厚さ 300μm の前額断脳切片標本を作製した。 電気生 理学的測定は、人工脳脊髄液(溶液)で灌流した記録槽内 に標本を移した後、ホールセルパッチクランプ法により 行った。Tetrodotoxin(TTX、Na + チャネル阻害薬)や [D-Lys 3 ]-GHRP-6(GHS-R 拮抗薬)などの薬物は灌流液に
more » ... 解し、投与した。 3. 実験結果 Ghrelin は記録した DR ニューロンの約 60%を脱分極し た。脱分極は TTX 存在下でも持続し、GHS-R 拮抗薬存在 下で有意に減弱した。脱分極の大きさは濃度依存的であ った。 脱分極のイオン機構を調べるため、low-Na + 溶液及び high-K + 溶液灌流下で ghrelin を投与した。脱分極はいず れの溶液中でも減弱し、low-Na + /high-K + 溶液灌流下でほ ぼ完全に消失した。従って、脱分極には非選択的陽イオ ンチャネル及び K + チャネルの関与が示唆された。これを さらに確認するため逆転電位を測定した。非選択的陽イ オンチャネル遮断下及び K + チャネル遮断下での逆転電位 はそれぞれ-93.7 及び-38.6 mV で、ほぼ K + チャネル及び 非選択的陽イオンチャネルの平衡電位に一致した。 10 mV ghrelin 100nM(標準溶液) 3 min ghrelin 100nM(low-Na + /high-K + 溶液) ghrelin 100nM(標準溶液)
doi:10.5136/lifesupport.23.30 fatcat:xaiubpt5tzbsdhamsgy24l4k6i